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100倍、身につく国語力 (28) 意味篇

 ❤小~高校生と、母親向けのレッスン


 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

表現篇 ④
  
(4) 気になる「頑張る!」の意味
 

 日本語の中で、「 頑張る」という語は
頻繁(ひんぱん)に見られますが、あまり
意味をよく考えないで、使っているよう
な気がします。一番多いのは自他の心を
励ます場合ですが、「 何を」、「 どう
頑張る」のかよく分からない曖昧(あい
まい)な表現だと思われます。
 
 例えば、「 さあ、がんばろう!」と
いう場合、目標に向かって勇気を出す
ことでしょうが、精神を集中させて努力
する方法としては、一体、「 何を、どう
すればいいのか」について、具体的な
方法や指標(しひょう)は何も示されませ
ん。それにもかかわらず、、日本人は、
この言葉がよほど好きなのか、無意識に
は反応して、コミュケーションが成立
しています。


 しかし、言葉の魔力というのは実に
不思議なもので、心が挫(くじ)けそうに
なっているときや、大失敗をしでかして
死にしそうな気持ちになっているとき、
この「 頑張る」という励(はげ)ましの
言葉を耳にすると、人はまさに百人力
を得た栄養ドリンクのような効果を
発揮します。
 
 そこで、この言葉に一体どういう
要素が含まれているのか、興味が湧(わ)
いたので、手元にあった『 ベネッセ
表現読解国語辞典』を調べてみました。
すると、「がんばる (頑張る)」は、
一つの意味だけでなく、いくつかの場面
を考えて、使い分けていく言葉だと
いうことに気がつきました。
 
この辞書では、「 がんばる(頑張る )」
は、次のように説明されているので、
次に引用しましょう。

①  困難に屈せず、努力する。
 → 海外で頑張る日本人を応援する。
②  自分 の考えを押し通す。   
→ 反対を主張して頑張る。
③  ある場所から動かないでいる。
→ 店先に大きな犬が頑張っている。
 
【 例語】
1.<力で>
  全力を傾ける、 発揮する、 
  奮起する、 奮闘する、 
  力闘する
 
2.<身をなげうっても>
  命がけで、捨て身(の覚悟で)、
  一所懸命、刻苦(こっく)勉励
  (べんれい)、 必死に、
  腐心(ふしん)する、 
  粉骨砕身(ふんこつさいしん)、 
  精魂(せいこん)を傾ける
  骨身(ほねみ)を惜しまず。
 
3.<前向きに>
  意気込んで、 気を吐く、 
  奮い立つ、 健闘する、 
  真剣に、精一杯、努力する、 
  奮励(ふんれい)努力(どりょく)、 
  馬力を掛ける、本腰を入れる、 
  せっせと
 
4.<耐え忍んで>
  うまずたゆまず、 粘る、 
  踏ん張る、 持ち堪える、 
  営々と、 善戦する、 
  不撓(ふとう)不屈(ふくつ)、
  血が滲(にじ)むような、 
  こつこつ、 じっくり
 
5.<専念する、 熱中する>
  ひたすら、 ひたむきに、 
  一筋に、 一意専心、 
  一途(いちず)に、一心不乱、 
  傾注(けいちゅう)する、
  精進する、 血道を上げる、 
  我を忘れて、

  ちなみに、英語では、"do one's best"
や "work hard" などがありますが、一般
的には "good luck" もよく使われている
ようです。また、中国語においては、
「加油(チャーヨウ)」というのがあり、
世界卓球選手権やオリンピックのとき
中国側の応援席から、大きな声で応援
していたのが聞こえてきたと思います。  

 余談ながら、中国語を知らない日本人
がこの「 加油」を文字で見ると、ほとん
ど「 油を加えるって、何なの?」という
反応を示すことが多いのです。

❤これなどは、耳で聞く発音上の言葉と、
目で見るそれとはかなり違った印象を
受けることの好例ではないでしょうか。
 
<参考> 『 ベネセッセ 表現読解 
国語辞典』より
 
アナミズ (2024.03.10)
 

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