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100倍、身につく国語力(83)帰国子女篇
❤小~高校生と,母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
帰国子女編 ⑤
【帰国子女の言語感覚】
(5) T君の日本語能力の事例(その2 )
ここでは、T 君の事例の続きを紹介し
たいと思います。
事例4:接続詞の誤用と使用不足
① 「さびしいんだな」と思い
ました。それが、元気でい
るのでぼくは、安心しまし
た。(それが→それでも)
② 「 ~」と言われたので、乗
り方を教えてあげました。
それから、初めて日本人の
友達を作れました。
(それ から→その後)
③ こういう日になると、ぼく
は、何もやる気がしないん
です。ぼくはこまりました。
(接続助詞を使って一文にで
きる。→こういう日になると、
ぼくは何もやる気がしない
ので、ぼくはこもりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1714747337828-TSFs9Uogr4.jpg)
事例5:漢字の当て字と誤用
① スケートボードをしていると、
中学三年生ぐらいの子が二人
行きました。
(行きました→来ました)
②一時間半走き回っていたので、
家へ帰ると、とても皮れまし
たので、家でまんがをよんで
いるうちに、ねてしまいまし
た。(走き回って→歩き回っ
て、 皮れましたので、→疲れ
③ スタートから45秒後、22キロ
の地点で正まった。
(秒後、正まった→止まった)
④ 日本人は走がおそいと思って
いたけど、いっしょに走って
みると足が走かったびっくり
しました。(走がおそい→足
がおそい、走かった→早かった)
⑤ きばせんのとき、ぼくは2回も
見方に至されたので、先生 の
前で文句を言いはじめました。
(見方→味方、至された→倒さ
れた)
⑥ 平安通の験でおりてしまいまし
た。(験で→駅で)
⑦ ぼくは家に帰って一日中本を
続んでいました。(続んでい
ました→読んでいました)
事例6:独特の表現
① スケートボードを遊んでいる
とき、輪が石にひっかかって
ぼくは、前に飛んでいった。
② そのときぼくはなにを言えば
いいのかわからなかったので、
そのまま立って、そこから逃
げました。
③ 今日はとても暑かったので、
頭がぽか~~と言った。
④ 理由がなかなか思い浮かばない
ので(あたりまえです) ぼく
は、れつするぐらいおこりま
した。
⑤ くもりの日は、いつもぼけ~と
しながらおきます。
⑥ 今日は、いい天気とう言うか、
わるい天気と言った方がいいか
わからないので、50/50(半分
半分の意味)
上の事例は、T君の日記の中から誤用
例を適宜(てきぎ)選んで、内容別に分け
たものですが、一通り目を通しただけ
でも、彼の文章の特徴が伺えます。それ
は、日本人であれば決してしないような
表現になっていて、まるで外国人が書い
たように、言葉の使い方が不適当だから
ですからです。
気になるのは、やはり助詞の誤用、
活用変化の間違い、漢字の当て字のみな
らず、発音上の問題点もあるということ
で、これは日本で普通に教育を受けた
場合と違うようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714747094485-ITyTN2vvid.png?width=800)
さらに、彼はスケートボードが好き
だったので、それにまつわる表現が必然
的に多くなっています。それなりに発想
的にはユニークで面白いので、彼の指導
上にいかせれば効果があると考え、どん
どん思った通りに書くよう奨励(しょう
れい)したところ、嫌がらずに積極的に取
り組むことができました。
❤このように見てくると、帰国子女
の日本語力はさまざまな問題を含ん
でおり、従来の国語教育だけでは
なく、第二言語として日本語教育
をするという発想の転換が、教師
側にも求められているようです。
アナミズ (2024.05.04)
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