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100倍、身につく国語力(83)帰国子女篇

❤小~高校生と,母親向けのレッスン

   (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

帰国子女編 ⑤
 
【帰国子女の言語感覚】
(5) T君の日本語能力の事例(その2 )
 ここでは、T 君の事例の続きを紹介し
たいと思います。

 事例4:接続詞の誤用と使用不足
   ① 「さびしいんだな」と思い
    ました。それが、元気でい
    るのでぼくは、安心しまし
    た。(それが→それでも)
   ② 「 ~」と言われたので、乗
    り方を教えてあげました。
      それから、初めて日本人の
    友達を作れました。
    (それ から→その後)
   ③ こういう日になると、ぼく
     は、何もやる気がしないん
     です。ぼくはこまりました。
   (接続助詞を使って一文にで
    きる。→こういう日になると、
    ぼくは何もやる気がしない
    ので、ぼくはこもりました


ネットのイラストより転載


 
 事例5:漢字の当て字と誤用
   ① スケートボードをしていると、
     中学三年生ぐらいの子が二人
     行きました。 
    (行きました→来ました)
   ②一時間半走き回っていたので、
    家へ帰ると、とても皮れまし
    たので
、家でまんがをよんで
    いるうちに、ねてしまいまし
    た。(走き回って→歩き回っ
            て、 皮れましたので、→疲れ 
   ③ スタートから45秒後、22キロ
     の地点で正まった
   (秒後、正まった→止まった)
   ④ 日本人は走がおそいと思って
     いたけど、いっしょに走って
     みると足が走かったびっくり
     しました。(走がおそい→足
             がおそい、走かった→早かった)
   ⑤ きばせんのとき、ぼくは2回も
     見方に至されたので、先生 の
     前で文句を言いはじめました。
     (見方→味方、至された→倒さ
    れた)
   ⑥ 平安通の験でおりてしまいまし
    た。(験で→駅で)
      ⑦ ぼくは家に帰って一日中本を
      続んでいました。(続んでい
              ました→読んでいました)
 
 事例6:独特の表現
   ① スケートボードを遊んでいる
     とき、輪が石にひっかかって
     ぼくは、前に飛んでいった
   ② そのときぼくはなにを言えば
     いいのか
わからなかったので、
     そのまま立って、そこから逃
     げました。
   ③ 今日はとても暑かったので、
     頭がぽか~~と言った
   ④ 理由がなかなか思い浮かばない
     ので(あたりまえです) ぼく
             は、れつするぐらいおこりま
             した

   ⑤ くもりの日は、いつもぼけ~と
      しながらおきます

   ⑥ 今日は、いい天気とう言うか、
     わるい天気と言った方がいいか
             わからないので、50/50(半分
    半分の意味)
 
 上の事例は、T君の日記の中から誤用
例を適宜(てきぎ)選んで、内容別に分け
たものですが、一通り目を通しただけ
でも、彼の文章の特徴が伺えます。それ
は、日本人であれば決してしないような
表現になっていて、まるで外国人が書い
たように、言葉の使い方が不適当だから
ですからです。
 
 気になるのは、やはり助詞の誤用、
活用変化の間違い、漢字の当て字のみな
らず、発音上の問題点もあるということ
で、これは日本で普通に教育を受けた
場合と違うようです


ネットのイラストより転載


 さらに、彼はスケートボードが好き
だったので、それにまつわる表現が必然
的に多くなっています。それなりに発想
的にはユニークで面白いので、彼の指導
上にいかせれば効果があると考え、どん
どん思った通りに書くよう奨励(しょう
れい)したところ、嫌がらずに積極的に取
り組むことができました。
 
 ❤このように見てくると、帰国子女
   の日本語力はさまざまな問題を含ん
     でおり、従来の国語教育だけでは
      なく、第二言語として日本語教育
      をするという発想の転換が、教師
      側にも求められているようです。
 
アナミズ (2024.05.04)

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