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HATCH会員インタビュー 杉木貴文さん

HATCH学生スタッフの嵐です!今回は、HATCH会員の杉木貴文さんに、ご自身の事業やHATCHでの過ごし方についてインタビューしました。

杉木貴文(すぎきたかふみ)さん
株式会社Engames 代表取締役社長

株式会社Engames
代表 杉木さん ボードゲームの総合企業。
2017年に富山県内初のボードゲームカフェ&ショップとして創業し、その後海外ボードゲームの輸入、翻訳版出版、卸売などの事業領域を拡大。ボードゲームに関わる幅広い事業に携わり、本年度からは自社オリジナル商品を海外に流通させ、グローバルな事業展開に注力中。
また、成長ポテンシャルの高い企業「T-Startup企業」として、富山県の集中的なハンズオン支援の対象に選定。

受賞歴
●日本ボードゲーム大賞2020投票部門大賞
●富山市ヤングカンパニー大賞

一問一答(仕事編)

Q:現在のお仕事を始めたきっかけは?

A:富山県にボードゲームで遊べたり、購入できるカフェショップを創業するため

ボードゲームが日本でも流行しだしていたにも関わらず、ボードゲームカフェは都会にしかありませんでした。幼少期からボードゲームが好きだったこともあり、地方でもボードゲームで気軽に遊べるような場所をつくりたいと思ったのがきっかけです。地方だからという理由でボードゲームで気軽に遊べる場所がないのは非常にもったいないと思いました。
他の地方でもボードゲームカフェを創業したい方がおられるのであれば、日本のボードゲームの繁栄のために、サポートしていきたいとも考えています。

Q:大変だと思うことは?

A:コロナウイルスの感染拡大によって物流が乱れ、メインである出版業に影響があったこと

ボードゲームカフェショップの経営である小売業の他にも、メインとして海外製ボードゲームの日本語ライセンスを取得して、翻訳・編集した日本語版を自社商品として出版する事業を行っています。しかしながら、輸送の目処が立たないことで、商品を売り出すことすらできず辛い時期がありました。ここでは、資金計画をしっかりと立てて対応していくことで乗り越えることができました。

Q:”ステイホーム”が求められていたコロナ禍では、ボードゲームの需要に変化はあった?

A:一過性のブームとしての需要の高まりはあったが、トレンドとして人気が定着し続けるものではなかった

直接人と会うこともなく、オンライン上で遊べるゲームの存在があるからこそ、人と集まって遊ぶボードゲームを世の中に広く浸透させることは難しいと思いましたね。

Q:どんな時にやりがいを感じますか?

A:業界の中での自社の立ち位置が上がっていることを実感したとき

最近では、富山市在住のゲーム愛好家の方の考案を元に、自社で一から作ったオリジナルのボードゲームである「ノコスダイス」 が海外の市場で高く評価されました。ドイツ・エッセンで開催された世界最大のボードゲーム見本市に初出展することが決まり、持ち込んだ240セットが即日完売するほどの売れ行きでした。海外の出版社からの問い合わせも相次ぎ、最大で50〜60カ国で販売する見通しです。

ノコスダイス
最後に「残すダイス」が重要であることから、この名前がつきました。これが自社オリジナル商品の1作目になるため、これからもオリジナル商品を制作していきたいと考えています。

また、イベントの開催や、メディアへの取り上げも増えていることも、富山県でのボードゲームの需要の高まりを感じ、やりがいに繋がっています。最近では、KNB news every. や日本経済新聞の北陸面、北日本新聞など多方面のメディアに掲載されました。

今年の夏、富山市立図書館で行われたボードゲームの体験型イベント

Q:ご自身の事業の魅力は?

A:日々新しいものが流通し続けるクリエイティブ業界にいられること

海外の新しいものを日本の市場に取り入れることはもちろん、日本や自社のオリジナル商品を海外に売り出すこともできます。ノコスダイスのように、自社で制作したものが海外で流通し、クリエイティブ業界の一端を担っていることを実感できるのも魅力の一つです。

Q:今後の目標を教えてください

A:富山県をボードゲーム業界のハブにすること

現在の日本ではほとんどの業界が東京に一極集中しており、ボードゲームも例外ではありません。しかしながら、ボードゲーム業界は、大きな工場や人的資本がそれほど必要ではないので、地方にいながらでも日本、そして世界と戦うことができます。
ボードゲームを日本中に広める拠点、そして海外に日本の商品を繁栄させていく港として、富山県を発展させていきたいと考えています。

Q:自分の好きを仕事にすることで、辛いときはないですか

A:ボードゲームをすることだけが好きなわけではないため、それはありません

好きを仕事にしてつらいという方は、そのものをどう好きなのかが違うのだと思います。例えば、「料理が好き」ということに注目しても、料理を食べるというサービスを受けることが好きなのか、レストランで美味しいものを提供することが好きなのか、もっと裏側に立ちかえって、料理をつくるための調理器具や食材といった土台の部分を作ることが好きなのかなどと、好きには様々な種類があると思います。
カードゲームのプロプレイヤーとして海外を転戦していた時期もあるぐらい、サービスの受け手側としての好きでもありますが、世界にボードゲームを提供し、新しいものを生み出していく送り手側としての好きもあるからこそ、好きを仕事にしてつらいと思うことはありません。

一問一答(プライベート編)

Q:お仕事がお休みのときはどんなことをしていますか?

A:仕事の休みがあまりなく、プライベートでも仕事に関わっていることが多いです

ほとんど休みの日はありませんが、時間があるときは、ゲームの解説を読んだり、経営に関する勉強をしたりしています。趣味で数学の論文を読んだりすることもあります。

Q:富山のおすすめスポットを教えてください!

A:五福にあるボードゲームカフェ Engamesにはぜひ足を運んでもらえると嬉しいです。
毎週金曜日には「ボドゲナイト」という、その日集まったみなさんでボードゲームで楽しく遊ぶ会を開催しています。
興味のある方はぜひEngamesのTwitterをチェックしてみてくださいね。
 
他にもいろんな人との交流や出会いがあるHATCHもおすすめです。
また、水橋出身なので地元に新しくできた漁夫という水橋食堂もおすすめです。特にここの海鮮丼が美味しく、よく食べに行きます。

HATCHの印象について

富山に数多くあるコワーキングスペースのなかでHATCHを選んだのはたくさんの人とのご縁があったからです。
とある機会にことちゃんのことを知り、こんなに爽やかに富山オタクを自称している彼女におもしろみを感じ、HATCHに興味を持ち始めました。
他にも、コンサルティングを受けている五十島さんがHATCHの会員であったことも選んだ理由の一つだと思います。また、前職をしていたとき、日本海ガスさんとの接点も多かったことも挙げられますね。

もともと新しい人との出会いは好きで、東京や海外ではいろんな人と会っていましたが、富山では自分の事業のことばかりでした。しかしながら、HATCHに入ったことがきっかけとなり、富山にも面白い人がたくさんいることに気付くことができました。
そのご縁もあって今は富山商工会議所にも所属しています。

杉木さんのHATCHを利用されたとある1日のスケジュール

午前中 MTG(in 高岡)
ランチ 高岡でブラックラーメン
12時~13時 倉庫の整理(in 新湊)
13時~14時 オンラインミーティング(in HATCH)
14時~15時半 HATCHイベント参加
16時~ Engamesにて事務作業など
19,20時~ 富山商工会議所の飲み会参加

編集後記

杉木さんにインタビューをさせていただき、好きを仕事にすることの本当の意味を知ることができたと感じています。ただそのものをサービスを受ける側として受動的に好きなのではなく、自分の好きがこれからもっと発展することを目指して、自分がその一端を担いたいと思えるかどうかが、その仕事を本気で好きになれるかどうかを左右するのかなと思いました。
大変勉強になりました。
また、ボードゲームカフェ Engamesさんには私も伺わせていただいたことがあり、ボードゲーム初心者の私にも優しくルールを教えていただき、とても楽しかったです!ぜひみなさんも遊びにいってみてはいかがでしょうか?
これからも杉木さんの益々のご活躍をお祈りして、編集後記をさせていただきます。

HATCH学生スタッフ 嵐結菜



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