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「あとちょっとなのに頑張れない」の不思議

僕は、あと1か月で今の会社を辞める。
最終週は有休消化期間となるから、実質、あと3週間と少し。

長時間労働や上司との人間関係、働いても認めてもらえないことへの苦しみや、頑張っても誰のためになっているのかが分からない虚無感、など、辞めるきっかけとなったネガティブな理由を上げたらきりがない。

それでも、次のやりたいことが見つかり、ありがたいことに内定を頂けたので、前向きな気持ちで転職に踏み切った。

8月初めに会社に退職の意思を伝え、次も決まっていることを伝えると、
割とすんなり受け入れてもらえた。
辞めることが決定したとき、心がすっと軽く…なるかと思っていたが、
不思議と、思っていたほどならなかった。

たぶん、理由はこの3つだと思う。
①辞める実感が沸かない
②終わらせなければならない仕事がたくさんある
③辞められる嬉しさよりも、あと2か月間働く憂鬱が勝った

今日の僕は、③の理由で苦しんでいた。
「あと1か月なのに、なんで頑張れないんだ」
「頑張れない自分は本当にダメだ」
「あとちょっとだろ、頑張れよ、甘えるなよ」

今朝の僕の頭の中には、こんな言葉たちが浮かんでいた。

あと少しなのに、頑張れない。
このことが僕には、「怠け」や「甘え」としか映らず、
自分に落胆し、責め続けるまま、会社に向かった。

昼休みにスマホを開くと、今朝の布団で泣きそうになりながら
友人に送ったLINEの返信がきていた。
僕の「なんで、あとちょっとなのに頑張れないんだろう…」
という内容に対し、その友人はこう返信してくれた。

「あとちょっとだから、頑張れないんだよ」

この言葉を見たとき、確かにふっと、心が軽くなった。
そうか、と思った。自分が甘えていたからじゃないんだ、と思えた。

あとちょっとなのに頑張れないんじゃない
あとちょっと”だから”頑張れないんだ。

意味が分からないと思うかもしれない。
「だって、受験勉強だって、マラソンだって、
 あとちょっとと思えば頑張れるじゃん」って。

でも、「受験勉強」や「マラソン」は
「あと少しでやめる会社の仕事」とは決定的に違う。

「頑張った先の達成感」という点で、決定的に違う。

あと1か月でやめる会社で、やれることは限られている。
また僕の仕事内容は特に、1年~数年かけて、
大きなことを成し遂げていくものであるから、
1,2か月でできることは本当に限られていて、
100%のうちの25%を、たった27%に上げるくらいのことしかできない。

つまり、僕が辞めるまでは「あとちょっと」でも
仕事の達成感を味わえるまでは「あとちょっと」じゃない。

だから、この「あとちょっと」で頑張れないのは、当然といえば当然だ。
どんなにやっても達成感は味わえないし、
達成感を味わえる頃には僕はもういないのだから。
何のために頑張っているのかがわからなくなって
やる気が下がるのは、当然なのだ。

今日の僕は、本当に友人のこの一言に救われた。
「あとちょっとだから、頑張れない」

ありがとう。
僕は今、「頑張れない」自分を認めて、その上で、
今できる精一杯のことをやって、あと1か月を終えようと思う。

長文を読んでくださり、ありがとうございました。

本日はこれにて。

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