左ききとINTJにみる直感・直観の類似性
今回は左ききとINTJの直感(直観)機能に関する考察をひとつ。
私はINTJを自認する左きき者です。 昨年でしょうか、「左ききはすごい」という本が巷で流行りました。左きき者にとっては、なかなか「おっ」なトピックでした。
正しい本のタイトルは、 加藤俊徳著、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左きき 「選ばれた才能」を120%活かす方法』 ダイヤモンド出版 著者は、医師で脳の専門医かつご自身も左ききという方。なんとも大仰なタイトルですが、左ききの特性がわかりやすく書かれた本です。その中に直感にまつわる記述があり、INTJの内的直観機能に通ずるものがあると思ったので拾い上げてみます。
[左きき者とINTJ者の大脳の働き(パターン)が実は同じだった説]
以下は、こちらの本からのざっくり一部要約です。
大脳は左脳と右脳に分かれ、それぞれ機能や司っているものが異なります。
左脳→論理思考、具体的実行、自身の感情を把握する、言葉を用いた処理(言葉を生み出す、言葉で理解する、言葉を記憶する等)
右脳→空間認知、抽象的イメージ、やる気を生み出す、他人の感情を読み取 る、周囲に注意を向ける、人の様子を記憶する、言葉なしでも理解できる
また、運動機能は右半身、左半身で分かれており、左脳が右半身を、右脳が左半身をそれぞれ運動の命令をしたり、抹消で得られた感覚を情報として受け取ります。左脳、右脳の運動野といわれる部位がそれにあたります。しかも、手や指の動きは緻密なため、運動野の大部分を手や指を司るのに占めています。左きき者は、左半身を利き側として使うため、常日頃から右脳をたくさん使っていることになります。
そして、右脳の機能は、空間認知や他者の感情を読み取る、言葉なしで物事を記憶したり、理解することであり、これらは、いわゆる「ひらめき、直感」に通じる機能だといえます。
したがって、普段から右脳をより多く使う左きき者は、「直感力、発想力」に長けており、それこそが左きき者の大きな特徴、タイトルのいうところの「選ばれた才能」ということらしいです。
更に社会はマジョリティである右きき者に合わせて設計されているため、左きき者は必然的に右手を使い、環境に適応しなければなりません。(例、右手で改札口、右手で自販機、右手でEVボタン、右手で蛇口を開け閉め)
ですので、左きき者は、左脳と右脳の両方を頻繁に使うことになります。そして、左脳と右脳のあいだには、脳梁(のうりょう)と呼ばれる左右をつなぐ橋のような器官があります。脳梁のあいだを脳内神経伝達物質が行き来することで、左脳と右脳の情報が円滑にやりとりすることが出来ます。 また、左きき者の脳梁は右きき者の脳梁よりも太いことから、左右の脳の情報伝達がより活発に行われているのだそうです。
まとめると、「左ききの人は、このようなパターンによる脳の働かせ方をする傾向があるよ、直感力があるのは、日頃から右脳をたくさん使っていたり左右の脳を頻繁に行き来した使い方をしているからだよ」ということです。
上記の内容から、私は「直感」と「直観」の違いを次のように捉えました。
直感→右脳の働きによりもたらされた、突然のひらめき、頭に浮かぶイメージ、確信や何か予感めいたもの(断片的なイメージ、勘の域を脱しない)
直観→右脳から発した直感の内に過去の記憶、体験、思想から導き出されたパターン、意味、理由、根拠が明確に内在しているもの
本来、勘や直感にも何かしらの意味、根拠が必ず内在しているはずです。但し、その内在している意味、根拠を示すためには、左脳による論理的思考や言語処理を用いて、明確に言語化がなされなければ、意識化したり、他者に伝えることは決してできず、単なる勘、説得力の欠いた予感で終わってしまうのです。「直感」から「直観」に昇華させるには、右脳だけではなく左脳の働きが必要であり、加えて両方を活発に行き来する働きが大変重要になるわけです。
総じて、左きき者はこのようなパターンで脳を働かせやすい傾向があり、固有な能力であるため、この働きをもっと養いましょう、と著者は述べています。ただ、私の体感では、この傾向は、左きき者のなかでも個人差がかなりあるのでは、と感じています。また、その逆に、右ききの方でも、INTJなど直観機能と思考機能がツートップのタイプは、日頃から左右の脳が活発にやりとりをしており、左きき者と同じような脳の働かせ方を得意としているともいえるのではないだろうかと考察しています。
以上、MBTI、心理タイプ界隈で取り上げられている直観機能は、抽象的でなかなか理解し難い機能です。しかし、右脳の働きや左ききの特性を直観機能にあてはめるとイメージしやすくなるような気がします。
こちらの本は、左ききに関するものですが、平易な文章とイラストで構成されており、直感のメカニズムや直感力の伸ばし方なども紹介されていたりと直感(直観機能)について知りたい方に良い本ではないかと思います。
最後は本の紹介になってしまいました。 毎度のことながら長文にお付き合いをいただき有難うございました。
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