夢と直観ってなんだか似ている
■昨日みた夢をおぼえていますか?
突然ですが、昨日みた夢をおぼえていますか? 私は客船に乗っていて、船は海上を航行中。そこへ船長による船内放送が入る。「これから海上はシケにより波が高くなります。船内の揺れにご注意ください。」連れは船内の揺れに驚くが「この程度の揺れはたいしたことがないから。」と私は冷静に諭している。
その後、場面は一転。北海道旅行中、ターミナルのようなところに一団が待機している。どうやら私の家族と親戚家族2,3組のようだ。これから道内の目的地に向かうのだが、話がまとまらずその場からなかなか動かずワサワサしている。私は、行きたい観光地へ1人で気ままに行くことができずイラつきを感じるが、団体行動のため仕方なく周囲のペースに合わせている。
私が昨日見た夢はこんな内容で、日ごろ見る夢も大体傾向が決まっている。
〇カラー映像、音声あり(夢のなかでは匂いや味覚を感じる事は無い)
〇ストーリー仕立て(短編フィルムのようなもの)
〇主観的で完全に自分目線の世界
〇光景は全く異なるが実在の場所(例、大阪、名古屋とか)が舞台
〇車や電車にのって目的地(スーパーとか駅とか)に向かっている 〇エピソードを分解すると1日前~数か月前に実際に見聞きしたものが出る
昨日の夢のエピソードも分解してみる。
船の揺れに関するエピソード。昨日、天候が気になり天気予報をチェックした。また、数か月前に実際に船に乗ったのだが、そのときの揺れが尋常ではなく、ひどい船酔いをした。2つめのエピソードは、数日前、旅行へ行きたい衝動に駆られ行く当てもないのに旅行サイトを見ていた。更に半月ほど前に訳あって〇十年ぶりに親戚と会う機会があった。会えたことは非常に有難かったのだが、終始、口角を上げていたのでたいそう気疲れをした。
というように、「荒天の予報、船内の揺れ、旅行、親戚、イライラ」と実際の出来事と夢のエピソードはリンクしている。寝起きに見た夢を忘れないよう反芻し、夢を分解すると、私の夢はこのように現実の出来事が夢に反映されていることが非常に多い。
■なぜ人は夢を見るのか?
自分の夢の傾向から推測したことだが、夢は脳が睡眠中に日中の体験や記憶情報を整理する過程で発生するのではないだろうか。人が寝ている間に脳は必要な情報の取捨選択や記憶を保存する場所にしまう作業をしており、体は寝ていても脳は働いているため夢を見てしまうのではないかと思う。
NIKEYSTYLEの記事で、脳は記憶や学習を整理するために、レム睡眠中に脳の各領域に保存された記憶は引き出され、夢として追体験する。そして鮮明な夢や悪夢など情動を揺さぶられる夢ほど起きた後も思い出しやすい、というものがあった。また、少し前のネット記事に、とある大学の研究で、よく夢を見るとされる「レム睡眠」状態においては、脳の毛細血管の血流が「ノンレム睡眠」の2倍であることから、夢を見ているあいだ、脳は特に活発に活動しており、血流が促進されることで脳細胞への酸素の供給や老廃物は排出され、情報の処理に大変適した状態であることがわかった、というものがあった。
夢を見る効果として、情報処理の他に、脳内の血流を増やし、脳疲労をとり脳の働きを向上させることが挙げられている。確かに、寝起きでも夢の内容をはっきり覚えている朝は、しっかり寝られた感、疲れがとれた感がある気ような気がする。
■夢と直観ってなんだか似ている
ところで、夢のエピソードを分解していて思ったのだが、記事にもあるように、夢見にまつわる情報処理の仕方と、直観、ひらめきが浮かぶときの情報のつなげ方が似ているような気がした。
いずれも脈絡のない複数のトピック、先の例でいえば、天気大荒れ・船の揺れ・旅行・親戚・イライラというトピックが(無理やり繋ぎ合わせるせいだが)現実味の欠いた夢のストーリーとして立ち上ってくる感じ。
ひらめきや直観(直感)も同様である。一見、関連のないトピック同士が、ふとした拍子に繋ぎ合わさって、アイデアや構想となって新たな価値や意味として不意に生み出される。
いずれも突拍子のないところ、一見脈絡のないところ、何かを土台にしてスルスルと関連づけられてくるところ、なんだか両者が似ているような気がしないこともない。立ち上がり方が似ているところは、脳のなかで同じような回路や同じ部位を用いて処理されているのではないか、と思うのである。
■夢はインプット
夢も直観も脳内の記憶のデータベースやそれぞれの領域に知覚情報として存在し、いくつかの情報を拾い、ひとつのつながりや筋書きを作ってしまう。
夢は比較的近い記憶情報で、睡眠中にそれぞれの記憶領域にしまわれる過程で見るもの。覚醒中に得た大量の記憶情報がランダムに浮かぶ。睡眠中も脳は活動しているため、脈絡のない記憶情報をもストーリーに仕立ててしまう。ただ、いかんせん情報に繋がりが無いため、辻褄が合わない非現実的な内容であったり、感情や願望も夢の筋書きに反映されることがある。
■直観はアウトプット
反対に直観はその逆で、すでにそれぞれの記憶領域に保存された複数の記憶情報がある着想(パターンや傾向といった意味づけや類似性)によってピックアップをされ、統合されたストーリーとなって意識に立ち上ってくる。
いわば夢は脳のインプットで直観は脳のアウトプット。発生機序は同じ道の行き帰りみたいなもので、仕組みとしては実はかなり近い間柄であるのかもしれない。
夢と直観の相関関係について、もっと調べれば興味深い研究や面白い考えなどがたくさんあるような気がします。
特に根拠もないまま想像のままに記してみました。久しぶりに夢日記でもつけてみようかな…。でも夢の世界がリアルすぎて虚実の境目がわからなくなってしまい、何だかこわくなって途中で書くことをやめちゃうんですよね。
あれこれ用事が重なって気持ちが少し疲れたときは夢の世界にどっぷり浸かりたい。
というわけで駄文、長文にお付き合いをいただき有難うございました、
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