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社会不適合者黙示録 思春期編(7)

味方のいない中学2年生。特に僕のクラスは意図的に問題児を多めに固めたような構成になっており、教室もほかのクラスから隔離された位置にあった。そのため他のクラスから応援を呼ぶことなどできない。そもそもほかのクラスにも味方なんていないのだが。

ならばせめて自分の武器くらいは磨いておきたいものである。学力で勝負するか。しかし当時、同じクラスに自分よりも成績のいい女子がいた。その人の姉は成績が良く、リーダーシップも取れるが、残念ながら外見がよろしくないため、陰から「顔面放棄」と揶揄されていた。ここではその妹の方を顔面放棄と呼ぶことにする。以後、テストがある度、点数を聞かれ、僕の方が若干点数が低いことが多いため、その場で顔面放棄がマウンティングを取ってくるという屈辱を味わうはめになった。ここで本章のラスボスの登場だ。

正直、ここまで来たら勉強をやる意味など、その顔面放棄に学業も放棄させることくらいしかない。その他大勢のモブは、心理的に害悪ではあるものの、人としてかかわる価値などないも同然だからだ。

学校内では、僕はただ浮いているだけではない。一部のやつから執拗な嫌がらせも受けていた。当時、自分よりも凄惨にいじめられている奴もいたのでまだマシだ、と思えていたが、そもそもそんな状況がおかしいのだろう。

春を迎え3年生に。受験の年だから気を引き締めて、と言われたが、田舎の公立など最上位以外は問題なく通過できてしまうほど生ぬるい。できることならこのメンバーとおさらばするためにも、最上位の高校を狙いたかったところだが、合格したところで毎日通う手段がない。電車など通っているはずがない。親の職場はその学校とは正反対なので送迎は不可能だ。バスで行こうものなら毎朝6時に出発しなければならない。自転車片道50分の高校が妥当だろう。これが田舎暮らしの実態だ。

非常に残念なことに、またもや顔面放棄と同じクラスになってしまった。しかも、同じ班にまでなってしまった。この中学では、先に班長立候補者をクラスから6人選出し、その6人と担任が話し合って班員の構成を考えるという流れになっている。この班員ドラフト会議に参加すべく班長に立候補したのは事実だが、いかんせん3年生になっても空中を浮遊している自分にトレードの意見を強く言うことなどできなかった。クラスのメンバーの、どの組み合わせが爆発的な反応を起こすのか。誰が中和してくれるのか。そんな議論は僕以外の5人と担任によって活発に議論され、班は出来上がった。

なぜ僕の班に顔面放棄がいるんだ…


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