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まさか間女になるとは思わねえじゃねえですか
もう終わりだよ日本と思った専門学校での話。
💩このお話は身バレ防止でぼかしてます
💩創作小説を書く女のエッセイなので、創作感覚でお読みくだされ
💩真実を書いてますがマジでバレたくねえので要所要所変えてます
某都市の服飾専門学校に通っていただいきち。着飾り自身を表現することに長けたものどもが集うこともあり、学校にはもちろん同性愛の子たちもいたわけだ。
無論、だいきちは知っての通り男同士の恋愛小説を書いていることもあり、全くもって性的指向に偏見なし。
たまたま同じクラスになった仲間も、好奇心を振り翳して人の心を傷つけるような奴らはおらず、本当に気持ちのいい輩ばかりが雁首揃えて収まっていた。
学校はテキスタイル科、パタンナー科、デザイナー科に分かれており、輪をかけてだいきちのいるデザイナー科は際物揃い。何せ講師がオカマだったこともあり、他の二学科と共同作業するときに、異様に周りが静まり返るほど見た目の治安も癖も強かった。
ここで最高にクレイジーな主要人物を紹介したいと思う。
ドス子🔪
ベイビー座ステイツ社員ブライトの甘ロリを着こなす彼女持ちゴツロリ、貞子のような黒髪とグラッ◉ラー刃牙に出てきそうなダイナマイトボディーが自慢の女の子。握力はきっと50キロある。だいきちがにピアスを開けてもらってから、なぜか彼女のように振る舞い始めた。だいきちが好き
パンク🕸️
ドス子の彼女。擬人化のパンダはこの世に存在したのかと思うくらいパンダ。スーパー◉ヴァーズとアル◉ンキンにくびったけ、多分ベ◉ータをワンパンできるくらいゴツい。ドス子と別れたがっている。なんか彼女がだいきちに被害を及ぼしているがその間に逃げようと思っているひどいやつ。お前私のこと好きじゃなかったんかワレ
ダイナソー🦕
自己紹介で鞄から恐竜のソフビを連ねたお手製ネックレスを首にかけて、照れ臭そうに「家族です♡」といって周りの空気を凍らせたコテオサ女。グラドルばりの巨乳とウエストを持つ、男を色んな意味で泣かせる女。特技はその場の空気をかき乱し、氷結させること。こいつのそばにいると面白いからと言う理由でくっついている。彼女もち、だいきちを童貞のまま死んだ不憫な転生者だと思っている。
だいきち🔞
圧倒的被害者、この世はくそ。メンヘラ製造機、バンギャが怖い当時の麺ギャ、ドス子にピアスを開けてやった日からオナモミのようにベッタリになられて怖がっている。この世はくそ。大嫌いな言葉は類は友を呼ぶ。
事件は林間学校で起こった。
場所は湖のでかい某観光地。林間学校といっても、親睦会のようなもの。当日はみんなで仲良くしましょうね!と言いながら、お決まりのグループ行動を強いられる。
陰キャには地獄のような縛りを陽気に強要してきた先生は、林間学校当日に乗った船で船酔いの為途中退場していた気がする。誰よりも先にホテルへ向かう教師が爆誕。
そんでもまあ専門学生だしある程度大人だし。なんか適当に四人組になって点呼の時間までは好きに散策して、時間になったら宿舎に帰ってきてねって話になった。
なんならきゃっほーーーい自由行動!?!?!?どこいくどこ行く!?!?!?と浮かれ回っている奴も多い。
当時のだいきちはゴリゴリのバンギャだけど陰の者だったので、あまった人と組めばいいやなんて気軽に考えていた。残り物には福があるとか思ってたけど、まさかバンギャ四人が集うとか思わないじゃないですか。散れよもっと凝るなよと思いました。
周りから、なんかバンド組んでそう(笑)と言われた四人組、だいきちだけがその(笑)に殺意を覚える中、なぜかダイナソーが不自然に腕を組んでくる。
「なあ、むっちゃ気まずいけんくっついとっていい?」
だなんて何かのフラグが立ってしまいそうなことをダイナソーに言われただいきち。その気まずい空気の出所は、説明されなくてもよくわかっていた。
何せ行きのバスでドス子とパンクが別れ話をしていたのを、後ろで聞いていたから
なんならダイナソーもだいきちの隣で聞いていたから。
つまり気まずいオブ気まずいので、お前らあとはよろしくってされたわけ。
「とりあえず行こうか……」というのが精一杯。隣にダイナソーをくっつけたまま、だいきちは重苦しい空気を纏う二人を引率する羽目になったのだ。
こんな空気じゃ観光も楽しめねえ、とりあえず二人には気の済むまで話し合ってもらう方がいいんじゃないかとダイナソーと相談。
もう面倒くさいから、あの二人関所においていこうよ。とか勇ましいキレ方をするダイナソーを窘めつつ、結局観光は二日目に持ち越しして早々にホテルへと向かう四人。
その間も、背後にいるドス子とパンクはまじで一言も話さない。
お通夜みたいな雰囲気でホテルに到着して、通されたのは大部屋である。
クラスメイトのうち男子は四人しかいなかったので、男どもは四人部屋、残りの女どもは、なんか温泉施設でカラオケ大会とかやる大部屋に泊まることとなったのだ。
え、雑魚寝? いや、まあ雑魚寝はいい。ただ問題は好きに布団を敷いて寝てねってとこだろう。
とりあえず早く到着しすぎたので、飯の時間も風呂の時間もまだ先だ。話し合うなら今しかないんじゃないのってことで、だいきちはドス子とパンクに水を向けることにした。
「あのさ」
「なんでそんな普通にしてられるの? 言いたいことあるならいいなよパンク!?」
「お前が空気悪くしてんだろドス子‼︎ だいきち気まずそうだろうが‼︎」
「あぁやめて巻き込まないでえーーーー‼︎」
声を大にしてそう叫びたかったが、まあ火のついた女同士の痴話喧嘩を止める勇気もないだいきち。
ダイナソーはというと、人の鞄にもたれかかりながらバスで食いそびれたうまい棒を剥いて食っていた。
おっぱじまるキャットファイト、飛び交う罵り。お腹が空いておにぎりを食いだすだいきち。吹っ飛んだドス子のヘッドドレス、なぜか脱いだニーハイを丸めて投げつけるパンク、うまい棒明太子味を差し出してくるダイナソー。
ドス子とパンクの心の拳のぶつかり合いは、だいきちが食後のおやつに差し掛かる頃にはもう終わっていた。
「で、結局なんが原因で二人別れ話なんかしてるん」
「お前そういうことは聞かない方が」
「もうパンクなんて知らない‼︎ 私だいきちと寝るから‼︎」
うそだろおい。
絶句するだいきち、唾を吹き出して笑い転げるダイナソー、勝手にすればと見放すパンク。
今度はだいきちがダイナソーにくっついてノン‼︎ ノン‼︎ とフランス人のように助けを求める。
でも現実は残酷だった。なんとそんなことをしているうちにゾロゾロと女子たちが戻ってきたのである。
結局キャットファイトはだいきちに絶望を、ダイナソーには満足を与えて強制終了。ダイナソーはしばくと心に誓った瞬間である。
女どもが入り乱れる大部屋で、図らずとも一時的にドス子が他の女子に連れられて部屋を出るタイミングがあった。だいきちはトイレに行こうとするパンクを捕まえて、
ちょっ待てよ‼︎ とキム◉クばりに飛びかかった。恐ろしい体幹をしているパンクはもちろんびくともしなかったが、子泣き爺のように背中に張り付いてノンしか言わないだいきちのことが流石に気味悪かったのだろう。うんこしたら話聞くからマジで待てと言われた。
「いや巻き込んで悪いと思ってるよ」
「全然いいよ」
「いやダイナソー関係ねえ〜!!!!!!!!マジでどっかいけ〜!!!!!!」
「とりあえずあいつも私と別れたいのは明白なんだけど、取り合って欲しいみたいなんだわ」
「は、誰と」
「you and me」
浜崎◉ゆみじゃん。あの夏の思い出は今も鮮やかなままのやつじゃん。
だいきちがスペキャ顔で????となっているときにダイナソーは他の女子からギョニソーを餌付けされていた。
「あとお前ドス子にくっつかれてビビっても、それを表に出さねえ方がいいよ。あいつお前が照れてると思ってるから」
「いや怯えてんだよ」
「うけんねw」
「人の心がなさすぎる」
パンクは申し訳なさそうに笑い、肩をすくませた。
「でもお前がドス子のファッションリ◉カの痕心配しなきゃ、あいつがお前に心移ることもなかったんだよ」
「お前と言うものがありながら⁉︎ ちっとは嫉妬してだいきちから引き剥がせよ‼︎」
「ごめん最近すごく楽」
「人身御供ってコト……⁉︎」
「でも気をつけた方がいいよ、あいつ今夜がチャンスだと思ってるから」
!?!?!?!?!?
「あいつ、もうすごいから。夜這いの仕方マジで呪◉のとしおくんだから」それはとしおくんに夜這いされた方がマシなやつではと思ったが、回避するならドス子の近くでは寝ない、女友達の近くで寝るという、木を隠すなら森の中みてえなアドバイスをされるだいきち。
飯も食って、いざ消灯となって、悪い女子どもが持ち込んだ酒盛りを始めることになって、なんだか部屋が山賊の集まりのような空気になってきた真夜中の0時に事件は起こった。(※未成年の飲酒を推奨するものではありません)
「女の子とキスの経験ある人ーーーー‼︎」
酔っ払ったダイナソーが缶ビールを天井に掲げて言いやがった。
そんなもんパンクとてめえとドス子しかいねえやろがい💢と思っていたんだが、我がクラスは流石に奔放な集まりなり。「あるよ」「私もある」「私も撮影で」「あるある全然ある」「ママと子供の頃に」「私はおばあちゃんと」などと、後者二名の和やかなキスとは毛色の違う、妙な方向で勇ましい一部女子が挙手。
そういえばこのクラスほとんど隠れバンギャと鬼ギャルしかいなかった件
森の中じゃねえじゃん嘘じゃん全然嘘じゃんてめえパンクこっち見ろや
そして酒やつまみを中心に、宇宙人と交信するかのようにサークル状に集まっていた女子たちが、キス魔と化したダイナソーと悪ふざけでキスをし出す始末。サークル状だったので、右から左へとチュッチュチュッチュ、だいきちは布団にくるまりながらダイナソーの近くで寝たふりを決め込んでいたので、なぜか布団にキスをされたが。
「たーのしぃー🎵🎶」
と馬鹿みたいにはしゃいで和気藹々としているダイナソー、もちろんそのサークルの中には酔っ払ったパンクもいた。けれどだいきちは気がついてしまった。その中にドス子だけがいないことに。
どこだ⁉︎ どこいった⁉︎ トイレか⁉︎ 内心焦り散らかしていたら、何者かに足首を掴まれた。
「えヒィ!?!?!?!」
楽しそうに歓談するダイナソーの背後で、不自然な盛り上がり方をした布団。自体が飲み込めていないだいきち、恐ろしいほどの握力で肩を掴まれて仰向けにされるなり、貞子ばりの黒髪長髪のドス子がぬるんと覆い被さってきた。布団の口は気付けばしっかりと閉じている。頼りになる光源はスマホの光だけ。
◉怨のとしおくんも裸足で退散するレベルで怖いドス子が登場。
なんならパジャマのボタンを外して一言
「いいよ?」
何も良くないんだよな。
ほんと全然何も良くないんだよ。
ほんと、人生で初めて可愛らしい悲鳴をあげながら、手近にあったダイナソーの尻を殴った。
「ッタァイ!!」とウルトラソウルの勢いで唐突に叫んだダイナソーのおかげで、パンクがドス子の侵入に気づく。
「あ、ドス子」
「ドス子ちゃん〜!どこ行ってたの今みんなでチュウしてたんだよ〜」
「うわバカやめろ」(必死)
「うん、お待たせ♡」
全然待ってない!!!!!
誰か助けてくれと視線を向けるも、そこには悪ノリに興じれる酔っ払いしかいなかった。パンクは半分寝かけてた。ダイナソーは楽しそうに手拍子叩いてたので後で滅殺を決意。
見上げれば、グラップラー刃牙に出てくる花◉薫似のドス子が、お目目をぱちぱちしながら首を傾けてくる。マジでデ◉メンターが魂吸う時にするアレだ。
上半身にかかる強大な圧力、近づいてくるドス子。鳴り止まぬ謎の手拍子、頭の中で流れる浜崎あ◉みのyou &me
『んわぁーーーーーんぶぶぶぶぶぶぶぶっっっっっっっ💢💢💢💢!!!!!!!!』
林間学校は無事に終わった。
二日目は初日に行けなかった観光をして、なぜか絶対に意地でもはなれないでござると言わんばかりのドス子を貼り付けて四人で水族館に行ったり、だいきちがなぜかアヒルに指を噛まれるなどした。
パンクとドス子はいつも通りの日常に戻っていった。林間学校以降、二人の関係はなぜか回復したらしい。ダイナソー曰く、「ドス子、なんか思ってたんと違うって言ってたよ」と、それは楽しそうにスイカバーを食いながら言っていた。
少しずつ日常を取り戻していった。だいきちだけをあの夏に残したまま、先に進んでいくのだ。
あの夏の思い出は今も鮮やかなまま
浜崎◉ゆみのyou and meが地雷になった夏だった。
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