僕の東大受験~数学編⑤~

お久しぶりですね。
では早速。前回は学校が始まって…的な話だったかと思います。

とはいえ、そこから夏休みに入るまでは、ただひたすらスタ演とtypeをメインにやってた感じですね(前にも書いた気がしなくもない)
ということで、今回は夏休みの話から。

あと、前回のを読み直したところ、かなり行き当たりばったりで書いたせいか、読みづらくなってしまったので、今回はなるべく読みやすく書いていこうと思います。

では。

夏休みといっても前半は、午前部活午後勉強、みたいな感じをひたすら繰り返していましたね。
コロナの影響もあり、部活は当分大会などがなくほとんど学校での練習が続いていたと思います。

数学はやはりtypeとスタ演がメイン。といってもスタ演の1周目がなかなか終わらず内心焦ってい記憶があります。

一方の数Ⅲですが、typeを何周かしていくうちに、そろそろつぎのステップに行こうか、と思っていた頃だったと思います、
ただ、思ったよりスタ演が進んでいなかったのもあり、とりあえずはⅠAⅡBを進めよう、といったイメージでしたね。

typeは数Ⅲを忘れないように適度に、といったところだったでしょうか。

こうして、数学に関してはかなり単調に勉強していくのですが、僕自身には悲劇が襲い掛かります。
2度目の盲腸です。

僕の記憶が正しければ、ちょうど夏休みが折り返しの頃、かなり久しぶりの部活の大会に臨んだ次の日くらいの夜に、救急車で病院まで向かった記憶があります。

結局、一度再発した人は再発する可能性が高いこと、受験などの大事なタイミングでの再発は避けた方がいいこと、などを理由に手術(人生初)を受けることになりました。

術後はしばらく熱が39度越えから下がらず、なかなか苦しい日が続きましたね。
ま、その苦しさを紛らわすために勉強してた僕はやっぱり勉強が好きだったんだと思います。

幸いにも3,4日で熱は下がりましたが、おなかの手術だったため、しばらくは点滴が続く状態でした。また、お風呂にも入れる状態ではありませんでした。

ところが、これが僕のQOL(?)を爆上がりさせたのです。

は?と思う人も多いかもしれないですが、1日3回の食事時間がない、お風呂の時間もない、wifiもない、静か、起床時間と就寝時間が定まってる(7時起き9時寝)という入院状態はまさに「勉強にとっておき」の空間なのです。

簡単に言うと、体調さえ元に戻れば病室は最強の自習室となるわけです。

熱が下がってからの僕はひたすらに勉強をしていました。
点滴から流動食、普通の(と言ってもお腹に優しい)食事になっても、普段よりは明らかに量が少ないので、勉強時間は十分に確保できました。

というかwifiがない以上、漫画などを持っていない僕は勉強しかすることがなかったのです。

親に、着替え用のバックとは別に、参考書用のバックを持ってきてもらい、ひたすらに勉強してました。

たまに、TVを見ることはあったものの、起きてる時間の9割以上は勉強してたと言っても文字通り過言ではありませんでしたね。

ただ、数学はそこまでやってませんでした。

いつも通り、typeとスタ演メインで、といった感じでした。
病室で学コンを解いた記憶もあります。

余談ですが、看護師さんや医師の方々は、僕の病室に来るたび、僕が勉強してるので、受験生だと勘違いしてる人も少なくなかったようです。

ただ、その反応が面白く、看護師の方々は、僕の勉強の跡をみて
「なに、これわからない~」
的な反応だったのに対し、医師の方々は
「あー懐かしい。こんなのやったなぁ」
という反応でした。

やはり医者はすごいんだなぁ。と感じた記憶があります。

特に、何もマニュアルを見ることなく、僕の今の病状、及び盲腸の起きる原因や、手術がどんなものだったのかなどをすらすらと説明するのを聞き、こりゃ医者は少なくとも頭良くないとダメだな、と感じました。

まぁ、僕は元々医学系に興味はなく、医者になっちゃいけないような人間である自覚もあったので、これを機に医者を目指そう、となるわけではありませんでしたが。

こんな感じに、入院中も変わらず勉強していましたが、一つだけ、この時期から始めた参考書があるのでご紹介を。

これは僕が最も好きな参考書の1つです。


こちら。またもや東京出版でございます。「数学を決める論証力」です。
こちらの参考書は、そこそこマイナーでじゃないでしょうか?

しかし、この内容はとても良いものです。
では早速レビューを。

こちらの参考書、解法の探求と似た感じで3つの部分に分かれています。

始めは第1部として、基本的な論理の話が述べられています。対偶の話から、必要十分条件、任意と適当などの超基本的な話についてもしっかりと述べられています。
また、背理法や数学的帰納法、さらには重要な同値変形(同値な式変形)についても詳しく述べられています。

また、問題演習も豊富なので、自分が理解できたかをきちんとチェックすることができます。
というか問題演習は正直豊富すぎますね。

また、よくある相加相乗平均の間違いを始めとした、欠陥のある論法についても触れています。

第1部はこんな感じに、多くの分野にわたって書かれている、論証に関わる部分をまとめて、さらに多数の問題演習を追加している感じです。

第2部は論理の運用として、20個のテーマに分けて、例題とともに論理における大事な手法が解説がなされています。

問題文を言い換えることの重要性から、オールとサムの話、帰納法、最大最小の話、場合わけ、など論証で重要な分野について、事細かに解説されています。

特に前半部分はあの青木先生の授業の「数学の真髄」を彷彿とさせる内容ですね。
ただ、そこまで難しいわけでもなく、基礎から論理を着実に学んでいきたい人におすすめのパートです。

ただ一つだけ短所をあげるとすると、この本全体として、文章が語り口調であるので、答案に自分が実際に書くときはどうすればいいのか少し混乱するところですね。

とはいえ、論証問題への取り組み方の姿勢がこの第2部だけでもだいぶ変わると思います。

難しい言葉を使わずに論理の話を説明をしている以上どうしても語り口調っぽくなってしまっているのですが、少なくとも論理的に間違っている感じではない(はず。少なくとも僕から見たら)ので、青木先生の授業をとろうと思ってる人は、とる前に読んでおくのがお薦めですね。

第3部は完全に発展分野ですね。例題とその解説、及びたくさんの論証問題、があります。もっとも僕はここまで手がつきませんでしたが。

僕は、この参考書を、夏休みで、第2部の途中まで、冬休みに第2部の残りと第2部の2周目をやりました。
論証問題への土台はここらへんで出来上がった気がします。

まぁこんな感じに、新しい仲間を迎えながらも夏は病室を主な拠点として勉強してました。

ただ、タイミングがまた悪いことに、学校再開の前々日くらいに退院した記憶があります。本当、運が悪いですよね。

そして、また学校が始まるのですが、その直後に「東大本番レベル模試」の第2回がやってくるんですよね。

前回説明した記憶がないのですが、僕は高2から本レは受けていました。単純に、東大形式に早くから慣れたかったからですね。

模試に関しては今後詳しく、成績表とともにまとめたいと思っているのですが、少なくともこの第2回はいい出来だったことは述べておきます。

数学も数Ⅲ含めてしっかり戦えていたので、typeをやって正解だったなぁ、と思った記憶があります。
松田先生の質問箱に匿名でお礼を述べた記憶もありますね。

さて、そんな流れで紹介するのがこちら。

こちら「最高の演習90」です。typeに接続される演習書でございますが、かなりいい問題集ではないかと思っています。

では早速レビューを。

その名の通り、数Ⅲの中~上レベルの問題が90問解説されている問題集です。

ただこの問題集の真骨頂はなんといっても解説の部分ですね。

解説の流れはPoint→Solution→Alternativeが基本ですが、その後に、類題や背景知識などを解説していることが多いのです。

また、ページの最下部にある松田先生のコメントも割と重要だったりします。簡単に言うと、1問で何度もおいしい類の問題集です。

Pointで着眼点について学びSolutionで実際にどの流れになるか学ぶ。またAlternativeでは自分に合った解き方や問題の見方を学ぶことができ、類題や、コメントで、忘れがちな重要なところを補足したり、こんな問題にもこの考え方が使えるのか、と知ることができる。

まさに1問で何度もおいしい問題集なのです。

また問題のレベルもしっかりと明記されているのですが、それが解説の方に載っているので、問題を解いてるときにうっかり見て「あ、このレベルなんだ」という先入観を持ってしまうことが防げる一方で、「僕がこんなに悩んだのは難しい問題だったからか」、と知れ、不必要な落胆を防ぐこともできます。

この問題集を僕は、秋からひたすら、全問スムーズに解けるように、高3の夏前まで、繰り返していましたね。

と、まぁこんな感じに、僕の高2の夏休みについて触れましたが、この頃からだんだん勉強法が安定してくんですよね。
これは、この合格体験記に書くことがだんだんと減っていくことも意味します。

秋以降はスタ演も2周目に入っていくと同時に、以前述べたようにやさ理はやる時間がないと気付き始めます。

また、最高の演習をやると同時に、マスターオブ整数の第3章も本格的に手を付けたりしていました。

小学生から通ってた塾で、早稲田の数学科の大学院生の方に教わりながら、基礎の極意の第3部をやってたのもこの時期、(秋~冬)だったと思います。

東大特進は、コロナの影響もあり、ほとんど言ってませんでしたね。
ノートだけ送ってもらってちょっとやる、くらいでした。

これくらいしか秋~冬で数学に関して述べることはありません。

友達との間に起こったことに関する雑談はなさそうで意外とありました。

秋に駿台に縁がない(とはいえ、高1で受けた駿台模試の成績のおかげで、無料の招待講習にはよく足を運んでおり、一時期お茶の水の駿台に通うことも考えた)僕が実戦を受けた時、MEPLO(河合のハイレベルのコース)に通ってたW君とマナビス生のYJ君がオープンを受けたこと。

あと、W君と一緒に「修学旅行って準備も面倒だし行かなくていいよね」ってことで修学旅行の同意書を出さなかったこと。

まぁ修学旅行に関しては、どうせコロナで中止になるだろう。それなら、その準備時間に勉強した方がいいし、キャンセル料金で、模試を何回も受けた方がお得だよね。という考えからですね。

実際修学旅行は中止になったので、僕たちの考えは成功だったわけですが。

学校自体は一応行ってました。

確かに数学ゼミは楽しかったですが、学校としてなかなかゼミの時間をとってくれなかったこともあり、学校は部活のためだけに行ってた感じですね。

最も、年明けは、学校にコロナ感染者(と言っても中学生に2人のみ)が出たの
をいいことに、ほとんど学校に行きませんでした。

ただここら辺はちょっと記憶があいまいなのでもしかしたら時系列がごっちゃかもしれません。


ただ、学校に感染者がいる、と判明して休校っぽくなった(確か)あとの最初の登校日は今でも覚えてます。

もともとゼミがある、みたいな話を聞いてたので、行くことにしたのですが、なんとゼミがないことを学校に行って初めて知りました。

久しぶりのゼミだったこともあり楽しみだった分落胆も大きかった僕は、2時間目から登校してたのですが、2時間目の数学だけ受けて帰ることにしたのです。

W君も一緒に帰りました。
そのときの周りの「あいつらマジで帰るのかよ」といった視線は覚えてますね。
実際僕らがよく思われてなかったのは確かだと思いますが、別に勉強の邪魔をされたりとかはありませんでした。

一応周りに迷惑をかけないことだけは心がけてた(先生からしたら嫌だったでしょうが)ので、ひどく嫌われてることはなかった(はず)です。

そのあとから徐々に休むようになった記憶があります。

具体的には、作品が完成しないと進級が怪しくなる美術と、楽しい数学ゼミだけ行くようになりました。
週3時間のみですね。
ちなみに、この影響で、(絵のセンスは壊滅的なままですが)美術は好きになりましたね。

これもW君と一緒だったのですが、僕は数学ゼミの1個前の日本史も受けてた(日本史が5時間目、ゼミが6時間目だったので面倒だから午後はいる感じで)のに対し、彼は日本史の終了10分前くらいからいつも来てました。

それに加えて、日本史が赤点のため、救済措置をしてノートを出したら、(いわゆる)単位あげるよ、という日本史の先生の提案に、「(単位いらないから)出しません」と返答したのは色んな意味で凄かった印象があります。

まぁ担任に止められてましたが。
一応、3つまでは赤評で、単位落としても平気なルールになってたんでしたけどね。(美術は心配だったので行った、っていう感じです)

こんな感じで今回は終わろうかと思います。
次回は高2の東大同日らへんの時期からでしょうか。

この時期から、参考書中心だった僕の勉強が徐々に変化していきます。
また、クラス替えも行われるので、雑談のバリエーションも増えると思います。

是非次回も読んで下さいね。
感想、お待ちしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?