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女1人で生きるつらさ②就活での1コマ

前回、女が田舎で腰を据えて生きていることを書いた。
そして、仕事に就いた話も。
今回は就職するときの本当のところを書きたい。

私が就職したのは、建設系の中小企業だった。上司はほとんどが男性でいわゆる徒弟制に近かった。ありがたいことに女性の先輩も何名かはいた。事業所は田舎にあるが、仕事があれば全国へ出張もある会社だった。

大学生だった当時、就職氷河期で就活が難航していた。貧乏な家の私には留年や進学という道もなく、たいした成績もなかった。この会社への就職を望んだのは、縁だった。

紹介で面接へこぎつけ、とりあえず女だから使えるか続くかわからないし、やらせてみては?という、女社長の一声でなぜかトントン拍子に話が進み、研修でそこそこ使えたらしく、就職へと至った。

なので、自分の能力を御社のためにとか立派なものではなく、ただ純粋に自分がどこまでできるのか、挑戦させてくれるのか、という興味・欲求が、初めて利害の合致する会社に巡りあったわけだ。
今思えば運要素が強すぎる。いや、ちゃんと真面目に就活した人が就く会社では長続きしなかったかもしれない。タラレバの話だ。

そういえば、この女社長の一言は冷酷で無慈悲に写っているのだろうか?
はたからみると、女なのに女を蔑視し、味方にならないとは!と現代なら批判まっしぐらなお言葉。
だがよく冷静に見るとかなり面白い人なので、少し書く。

この人は女性が
・自社の労働に従事できるか、
・定年退職できるか、
・わからないがとりあえずやってみろ
と言っている。

つまり、ちゃんと会社の問題を分析したり、状況把握している経営者ならまともな意見。むしろ、わからないから落とす、ではなく、わからないからやらせてみろ、に驚きだ。
経営者なのに、太っ腹で竹を割ったような性格で、好意しかなかった。
ただひとつ言うなら、学生相手にぶっちゃけすぎだ。びっくりした。

面接官はもう1人おり、そちらは入社後、自分だったら落とす気だったからラッキーだったね。だそうだ。ちなみにいい大人な男性である。

学生時代にもこういった人間がいたが、過ぎたことのネガティブifな話は、結局何が言いたいのかわからない。こういう人は社会人にもいるのかと少し絶望した。

だが入社後すぐに僻地へ飛ばされ、1ヶ月休みなしで給与が5桁だったとき、これが洗礼かと思わずにはいられなかった。
学生から社会人へ投げ込まれたわけだが、他の会社の「普通」も知らないため、社会とは大変なんだな。大人はすごいなと、洗礼の義をこなす日々だった。

今日はこのあたりで。
自分の過去を見ると面白いので、不定期に書いていければと思う。

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