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Long Goodbye.

父88歳、母86歳。
要支援と要介護の組み合わせ。
要支援の父はぼちぼち元気なものの、そもそも家事をやり慣れていない。
がんばろうというお気持ちはあるが、米寿の手習いはなかなか厳しい。
無理して倒れられても困る。

理学療法士さん、看護師さん、ヘルパーさんに来てもらっているが、
食事の準備は頼みたくない、と。
そしていくつも試したが、納得のいく宅配弁当はなかった。

ドアツードアで1時間強の場所に住む私は週に2-3回通って、
実家の近所に住む姉とタッグを組んで、作り置きしたりして
家事を回している。

すごく大変、という訳ではないけれど、
でもキーパーソンとして、両親を支えていけるのか、
両親のために最善の選択をできるのか、
その不安な気持ちの負担が大きい。

アメリカでは認知症のことをLong Goodbyeと言うと
中島京子さんの小説「長いお別れ」で読んだ。
少しずつゆっくりと、自分の知っている人の一部とお別れしていく。

父も母も、記憶力、理解力の衰えは見られるものの、
認知のゆがみはない。
だが私の知っていた頼りになる大人から、
子どもに援助される老人へと変化している。
私は今、少しずつ私の知っている両親とお別れしている。

【本日のおすすめの本】
「長いお別れ」中島京子著
認知症を発症した男性とその家族の物語。「現実」に直面しているあなたに。「現実」って何だろう?



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