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大切な人(もの)との別離。悲しみと共にあるあなたへ

人間だれしも共通すること。
必ず皆、いつか死ぬ。生まれた瞬間から死に向かって歩み始める。
「もし私が明日死んでも、悲しまないでください」
これを英語で表すと、If I were to die tomorrow, don't be sad.となる。
(もし余命間近な人なら、If I die …となるが、それは置いておく)
明日死ぬかどうかは不確かなことなので、If「もしも・・・」を使う。

だが「もし私が死んでも、悲しまないでください」の場合は、
When I die, don’t be sad.となる。
いつか死ぬのは確実なことなので
if「もしも・・・」ではなくwhen「・・・の時は」となるのだ。
日本語より英語はシビアだ。

父と母との別れはいつか必ずやってくる。
それは私が先に死ぬ、というパターンもあり得るが、
逆縁とならないよう、私は父母より長生きする予定だ(未定だが)。
なので、いつか父と母の死に立ち会うことになるはずだ。

無事に見送ることができた安堵感があるだろう。
だが、間違いなく哀しいはずだ。
その時のことを考えると胸が今からキュッと苦しくなる。
その時のためのお守りとして大事に抱えている言葉がある。

独り悲しむとき人は、時空を超えて広く、深く、他者とつながる。(中略)
悲しみは別離に伴う現象ではなく、亡き者の訪れを告げる出来事だと感じることはないだろうか。愛しき者がそばにいる。どうしてそれを消し去る必要があるだろう。(中略)
あなたに出会えてよかったと伝えることから始めてみる。相手は目の前にいなくてもよい。

「悲しみの秘義」若松英輔

この言葉に、ペットを見送った時に私は救われた。
今もふと思い出して悲しい時には、
会いに来てくれているのだなと思って、悲しみを消し去るのではなく、
悲しみと共にいるようにしている。
親とペットを同列にするようで不謹慎かもしれないが、
「大切なもの」を失う悲しさに優劣はないと思う。

大切な人(もの)と別れ、悲しみと共にあるあなたへ。
私には救いとなったこの言葉が、
あなたの心にも少しでも響くことがあれば・・・。


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