ラグビーワールドカップ2023レビューその3

 ラグビーワールドカップ2023は南アフリカの大会連覇、史上最多優勝となる4度目の優勝で幕を閉じた。南アフリカの強さを改めて思い知らされた大会。南アフリカの強さを過去10回の大会から見ていきたい。

過去10大会のティア1諸国の成績
         優勝  準優勝 4強  8強  プール戦敗退
南アフリカ     4   ー   2   2   ー
ニュージーランド  3   2   4   1   ー
オーストラリア   2   2   2   3   1 
イングランド    1   3   2   3   1
フランス      ー   3   3   4   ー
ウェールズ     ー   ー   3   4   3
アルゼンチン    ー   ー   3   2   5
スコットランド   ー   ー   1   6   3
アイルランド    ー   ー   ー   8   2

 改めて数字を整理すると南半球勢の強さは明らか。しかし、前回大会8強、今大会は決勝トーナメントに進出できなかったオーストラリアは低迷していることがわかる。一方の南アフリカは大会連覇。南アフリカのワールドカップでの強さが増しているように感じる。
 なお南アフリカだけ合計が8回となるのは、第1・2回大会に参加していないから。予選で負けたのではなく、そもそもアパルトヘイトの制裁措置から参加資格がなかった。結果、出場8回で優勝4回。出場回数の半分で優勝している。
 一方、ラグビー王国ニュージーランドは10回の出場で3回の優勝は南アフリカより回数も率的にも低い。しかもうち1回は南アフリカが出場していない大会での優勝。そう考えると、ワールドカップにおいては、南アフリカが最強と言って差し支えない。

 しかし違和感があるのは、南半球で行われている旧トライネーションズ、現在のThe Rugby Championship(TRC)ではニュージーランドが圧倒していること。1996年に始まったトライネーションズ(現TRC)での優勝回数と通算成績は以下の通りだが、ニュージーランドが圧倒している。(以下、wikipediaより数字を参照)(アルゼンチンは2012年に参戦)

優勝回数
 ニュージーランド 19回、南アフリカ4回、オーストラリア4回

勝敗
 ニュージーランド  93勝 2分29敗
 オーストラリア   53勝 6分65敗
 南アフリカ     50勝 5分65敗
 アルゼンチン     6勝 3分43敗

 南半球のTRCでは、南アフリカの成績はニュージーランドだけではなく、オーストラリアにすら劣っている。その南アフリカが、なぜこれほどまでにワールドカップで強いのか。その4で個人的見解を述べたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?