退院はいつなの?
入院29日目
気がついたら、入院してから4週間も経っている。階段から落ちたあの日も遠い記憶になりつつある。
こんなに長い入院になるとは、まったく予想していなかった。
もう、入院が日常になりつつある。
今までも主治医には、予後がどうなるのか聞いているが、退院の話になると、
「松葉杖が使えるようになったら。」
「シーネが取れて荷重訓練が始まったら。」
「人によって退院の時期は違うから。」
「退院後の通院が可能かどうかで変わってくる。」
そんな、いろいろな情報は出てくるけれど、なんだかボンヤリしていて、結局、私はいつ頃退院の見込みなのかハッキリしない。
荷重訓練は3段階で、1週間毎に荷重量を上げて行くと聞いていた。はたしてどの時点で退院可能になるのも不明だった。
今日は、主治医が回診に来たので、
私「シーネも外れて、松葉杖ができるようになってきたので、退院は近いですか?」
と聞いてみた。すると、
医師「まぁ、退院したいならいいけど、荷重訓練が始まってからの方が、自宅の階段の上り下りも安定するので、それからの方がいいかもよ。」
とのこと。
また、なんだかハッキリせん。
私「では、もうすぐシーネが外れて1週間になるので、最初の荷重訓練が始まれば退院しても大丈夫ですか?」
医師「それがいいんじゃない。退院後にリハビリに来られるなら。」
よし、退院の目安がハッキリしてきたぞ。あと、10日程で退院できるかもしれない。
ゴールがハッキリ見えたほうが、私は頑張れる気がする。
リハビリ22回目
前回、階段の下りのコツをつかんだところまできた。
今日は本物の階段での練習だ。
まずは上り。
階段の恐怖心が軽減したせいか、いつもより順調に進んで、踊り場まで辿り着いた。
PT「今までで、1番時間がかからず登れましたね。」
嬉しい一言を頂いた。
次は問題の下り。
前回の身体の感覚を思い出しながら、1歩下りる。ちょっとぐらついた。
2歩目、上体が前傾にならないよう意識して足を下ろす。ストンと上手く着地できた。
その後は躊躇することなく、最下段まで下りることができた。
PT「うん、安定してきましたね。いいですね。」
嬉しい嬉しい!この年になって、こんなにも達成感を味わうなんて。
病室までの帰り道で、前回リハビリをしてくれた、女性の理学療法士さんとすれ違った。
「前回はありがとうございました。本物の階段で順調に下りられましたよ!」
と伝えることができた。
退院に一歩近づけた気がした日だった。
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