タイ🇹🇭とカンボジア🇰🇭

タイとカンボジアについて、あまり知らないが、日経記事がいくつか出ていたので取り上げる。

カンボジア選挙結果

カンボジア上院選、与党の得票率85.9%　当局の速報値 - 日本経済新聞

カンボジアで行われた上院議会議員選挙において、与党カンボジア人民党が得票率85.9%で圧勝し、全58議席中55議席を獲得したと発表されました。野党の中ではクメール意思党が11.9%の得票率で続きましたが、その他の野党は2%以下の得票率にとどまりました。この選挙で、前首相で人民党のフン・セン氏が当選し、上院議長に就任する見込みです。カンボジアの上院選は6年ごとの間接選挙で、下院と地方議会の議員が投票します。最終結果は3月初旬に発表される予定です。

独裁体制継続

カンボジア上院選、与党圧勝へ　独裁体制強まる - 日本経済新聞

カンボジアの上院選において、与党カンボジア人民党の勝利がほぼ確実であり、フン・セン前首相が上院議長に就任する見通しです。これにより、フン・セン氏が引き続き政治的影響力を保持し、カンボジアにおける事実上の独裁体制がさらに強化されることになります。有力野党キャンドルライト党は書類上の不備を理由に選挙への参加ができず、野党支持は分散。フン・セン氏は自身の家族と側近を政府の要職に据え、一族支配を強化しています。一方で、野党の分裂と弱体化、厳しい野党弾圧が指摘されており、政情不安の火種となる可能性があるとの声もあります。

カンボジアの近代史と最近の政治

カンボジアの近代史は、植民地時代から現代に至るまで激動の連続でした。以下にその概要と最近の政治状況について説明します。

### 植民地時代以前
- **アンコール時代**：9世紀から15世紀にかけて、カンボジアはアンコール王朝のもとで繁栄しました。

### 植民地時代
- **フランス植民地時代**（1863年 - 1953年）：カンボジアはフランスの保護領となり、約90年間フランスの支配下にありました。

### 独立後
- **独立**（1953年）：フランスからの独立を果たし、ノロドム・シハヌーク王が国王として権力を握ります。

- **内戦とクメール・ルージュの時代**（1970年代）：シハヌーク王が追放された後、国内は内戦状態に陥ります。1975年にはポル・ポト率いるクメール・ルージュが政権を掌握し、1975年から1979年までの間に推定150万人が死亡する大虐殺を行いました。

- **ベトナムの介入と人民共和国**（1979年 - 1989年）：ベトナムがクメール・ルージュを追放し、カンボジア人民共和国が成立しますが、内戦は1991年まで続きました。

### 国連の介入
- **パリ和平協定**（1991年）：内戦を終結させるために、国連が介入し、パリ和平協定が締結されました。

- **国連暫定統治期間**（1992年 - 1993年）：国連がカンボジアの暫定統治を行い、1993年には新憲法が制定され、王国が復活しました。

### 最近の政治
- **フン・センの統治**：1985年からフン・センが首相を務め、カンボジア人民党（CPP）が政権を握っています。フン・セン政権下でカンボジアは経済成長を遂げましたが、政治の自由や人権面での批判もあります。

- **野党の弾圧**：近年、野党やメディアへの圧力が強まっています。2017年には主要野党である救国党が解散させられ、国際社会からの批判が高まっています。

- **選挙**：2018年の総選挙では、CPPが圧勝しましたが、選挙の自由と公正が問われています。フン・センは自身の地位を息子に引き継ぐ準備をしているとも言われています。

カンボジアの政治はフン・セン首相とその家族、及びカンボジア人民党の強い影響下にあります。経済成長は達成されていますが、政治的自由や人権の面では依然として課題が多い状況です。

最後の大ガス田(タイとカンボジア)

タイとカンボジア「最後の大ガス田」 20年越し開発へ - 日本経済新聞

タイとカンボジアは、長年にわたる政治的な混乱と領土問題により開発が停滞していたタイ湾中央部の巨大な天然ガス田の共同開発に向けて動き出すことになりました。このガス田は「東南アジア最後の大ガス田」とも呼ばれ、東京都12個分の広さを持ち、その埋蔵量は約83兆円にも上ると見積もられています。タイにとっては、エラワンやボンコットのガス田が枯渇に向かう中、発電燃料や化学原料の需要増に応えるための重要な資源となります。一方、カンボジアは石炭火力を新設しない方針の下、初のガス火力発電所の建設を計画しており、このガス田の開発はその燃料供給の鍵となります。脱炭素への移行期において、この低炭素なエネルギー源の役割が見直されており、両国の経済成長にとって大きな意味を持つプロジェクトです。

日経新聞の図引用

タイ航空、最終黒字に転換

タイ航空、最終黒字に転換　日本・中国路線など寄与 - 日本経済新聞

経営再建中のタイ国際航空が2023年に2期ぶりの最終黒字（280億バーツ、約1174億円）を達成したと発表しました。これは、旅客需要の増加、債務整理、リストラ効果、中国便の再開、及び日本路線の増便によるものです。営業収入と乗客数は前期比でそれぞれ53%増加しました。同社は2024年に再建計画の完了を目指しており、旅客需要のさらなる増加に備えて、45機の航空機材購入契約を結び、保有機材数を33年までに現在の70機から96機に増やす計画です。ただし、運輸相は機材導入の過剰投資を懸念しており、計画通りの進行は不透明です。

タイの近代史と最近の政治

タイの近代史と最近の政治動向は、国の変革期と重要な政治的出来事によって特徴づけられます。以下はその概要です：

### 近代史の概要

- **1932年の革命**: 絶対王政から立憲君主制への移行をもたらした重要な転換点。この革命により、タイは王権を中心とした政治体制から、より民主的な構造へと移行し始めました。

- **第二次世界大戦後**: タイは戦時中の日本との同盟から距離を置き、西側諸国との関係を強化しました。この時期に、経済発展と政治の近代化が進みました。

- **冷戦時代**: タイはアメリカ合衆国と密接な関係を築き、共産主義の拡大に対する緩衝国としての役割を果たしました。この期間中、軍事政権と民主政権が交互に政権を担いました。

- **1997年アジア通貨危機**: タイの経済が大きな打撃を受け、これが政治的不安定の一因となりました。この危機は、タイの経済政策や金融システムの抜本的な見直しを促しました。

### 最近の政治動向

- **2000年代初頭**: タクシン・チナワット首相の下で、タイは経済成長と政治的安定を経験しましたが、2006年に軍事クーデターが発生し、タクシンは失脚しました。

- **2010年代**: タクシン派（「赤シャツ」とも呼ばれる）と王室・軍を支持する保守派（「黄シャツ」とも呼ばれる）との間の政治的対立が続きました。この対立は度々大規模な抗議活動を引き起こしました。

- **2014年クーデター**: 軍は再び政権を掌握し、プラユット・チャンオチャが首相に就任しました。その後、国は厳格な政治的制約の下で統治されています。

- **2019年選挙**: タイは数年ぶりに選挙を実施しましたが、選挙結果は軍とその支持者に有利なものとなり、プラユットが首相を続投しました。

- **最近の動向**: 政治的な対立は依然として存在し、特に若者を中心とした民主化を求める抗議活動が活発に行われています。これらの抗議活動は、より民主的な政治体制への移行、表現の自由、そして王室への批判の規制緩和を求めています。

タイの政治は依然として変動が激しく、国内外の様々な要因によって影響を受けています。歴史的背景と最近の動向を考慮に入れることで、タイの現在の政治状況をより深く理解することができます。