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みずほ、幻の楽天証券子会社化 

楽天証券の株式上場計画が変更を迫られ、出資比率は従来の20%から49%まで高まった。交渉過程ではみずほによる楽天証券の子会社化案も浮上したとの興味深い記事が日経から出ていたので取り上げる。

要約文

みずほフィナンシャルグループ(FG)は、2023年12月に楽天証券の株式を追加取得し、出資比率を20%から49%に高めました。この取引の背景には、楽天証券の株式上場計画の変更があり、当初の計画では楽天グループが保有株の3割を売却して1000億円を調達する予定でしたが、競合他社の手数料無料化による収益の下振れリスクが影響し、上場計画が見直されました。

この過程で、楽天グループは株式の過半数を譲渡しても構わないと提案し、みずほ証券が楽天証券の株式の過半数を取得し子会社化する案が浮上しました。しかし、最終的にみずほは49%の出資にとどめました。これは、楽天証券を完全に子会社化するとその特色が失われるリスクと、みずほFGの重要取引先であるソフトバンクグループへの配慮からです。楽天証券は子会社化されず、みずほFGの戦略的グループ会社の1つとなりました。また、みずほと楽天は共同出資する金融仲介の新会社を設立する予定です。

感想

楽天証券がみずほ銀行に子会社化されなかったことは良い判断だったと思われます。楽天の強みはそのエコシステムにあり、さまざまなサービスが楽天ポイントで結びついていることにあります。子会社化されていた場合、このエコシステムに影響を与える可能性があったでしょう。

一方で、楽天は資金繰りに苦慮しているようです。2024年から2025年にかけて、携帯電話事業のために発行した約8000億円の社債の償還期限が迫っています。現在の携帯契約者数600万人超では、この財務状況を充分にカバーできない可能性があり、解決までには時間がかかるかもしれません。楽天グループは国民生活に大きく貢献する事業を展開しており、この苦境を乗り越え、事業を安定した軌道に乗せることが期待されます。

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