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サイバーエージェント分析

サイバーエージェント株が2021年から暴落したが、最近持ち直している。そこで関連のニュースを取り上げてみたいと思う。

日経新聞の図引用

2023年10~12月期の連結決算

サイバーエージェントは2023年10月から12月期に4億7200万円の最終赤字を記録しました。これは、前年同期の50億円の赤字からは改善されましたが、子会社リアルゲイトの時価総額の急減に伴うのれん償却費の増加により35億円の特別損失が発生しました。売上高は15%増の1930億円、営業利益は62億円の黒字でした。各セグメントでは、メディア事業の赤字が縮小し、インターネット広告事業が堅調に推移しましたが、ゲーム事業の収益は低下しました。全年度の業績予想は据え置かれました。

広告事業

みずほ銀行は、サイバーエージェントと提携して、顧客情報を活用した広告ビジネスを開始します。これにより、企業は地域や顧客属性に基づいてターゲットを絞った広告配信が可能になります。サービスはATMデジタルサイネージやダイレクトメールから始め、将来的にはグーグルやフェイスブックへの広告出稿も計画されています。顧客のプライバシー保護のため、同意管理システムを導入し、個人情報の取り扱いには細心の注意を払います。

サイバーエージェントが開発した生成AIにより、広告用の背景や商品画像を作成することが可能になりました。これにより、外での撮影が不要となり、広告制作の効率化が期待されます。2024年1月から、この技術は化粧品や食品などの広告制作に利用され、複雑な表現も対応可能です。さらに、広告制作コストの削減も見込まれます。

AI戦略

サイバーエージェントは、企業向けに生成AIと大規模言語モデル(LLM)の使い方や活用の注意点を教える学習講座を開始しました。この4〜6時間の講座では、座学と実践を通じて学べます。目的は、生成AIの導入を促進し、業務の効率化を図る企業の需要に応えることです。講座はCAリスキリングパートナーズを通じて提供され、個別カリキュラムの開発やAI活用の社内推進支援も行います。

サイバーエージェントが新たに独自開発した大規模言語モデルを無料で公開しました。このモデルは生成AIの基盤で、最大約5万文字の入力が可能で、以前の4000文字の制限を大幅に超えます。公開されたモデルは、特に日本語に強く、企業や研究機関がより長い文章を扱う対話型AIの開発を可能にします。

ポイント事業

サイバーエージェントは、2024年の共通ポイント業界における競争激化に対応するため、PayPayと提携し共通ポイント事業に本格参入しました。この提携により、PayPayポイントを販促手段として活用し、業界内での立場を強化しています。共通ポイント業界は、量から質への転換が求められる中で、サイバーエージェントとPayPayの提携は、顧客接点の増加や加盟店の利益向上に貢献する販促を提案することで、競争力を高める狙いがあります。


ドットマネー(サイバーエージェントの子会社)は、さまざまなポイントを一箇所に集約し、現金やAmazonギフト券、nanacoなどの電子マネーに1マネー=1円で交換できるサービスです。このサービスは手数料無料で提供され、業界No.1の交換レートを誇ります。利用者はアメーバブログやゲームを通じて簡単にポイントを貯めることが可能であり、株式会社サイバーエージェントが運営しています。ドットマネーはその利便性と幅広い交換オプションにより、ポイント活用を最大化する手段として注目されています。

株価低迷していた理由

サイバーエージェントの株価が2021年から低迷していた原因には複数の要因があります。主な理由として、営業利益の減少が挙げられます。2021年9月期を境に営業利益が右肩下がりとなり、利益減少が株価上昇の障害となっていました。さらに、同社の業績が低迷した背景には、「ウマ娘 プリティーダービー」の人気減速や主力のインターネット広告事業の採算悪化が影響しています。これらのゲームや広告事業のパフォーマンスが期待を下回ったことで、2023年9月期には純利益が前期比で78%減少するなど、2期連続で減益となりました。

感想

2024年は、生成AIを早期に活用した企業が急速に成長すると予想されます。これはMicrosoftが成長している一因でもあります。この点で、サイバーエージェントが早期に生成AI講座を開設したのは賢明な戦略だったと言えます。また、自社の広告分野での積極的な活用は、広告制作コストの削減に貢献しています。

さらに、日本の共通ポイント業界にとって大きな転機が訪れるかもしれません。PayPayが市場に参入したことは、QRコード決済市場での圧倒的な存在感を考えると、大きな影響を与えるでしょう。重要なのはユーザビリティです。現在、楽天経済圏がリードするエコシステムのポイントシステムに対し、PayPayがどこまで迫れるかが注目されています。この競争も見逃せません。そんな中でサイバーエージェントがどんな立ち位置を取るのか。ドットマネーの活用に注目です。

No AI, No Future.

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