昔の水蒸気

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「スチームパンクとツインテール」あらすじ

舞台は異星、蒸気機関が中心となる世界。 この星には大陸がない代わりに無数の島が存在し、島によって『多夫多妻制を採用している』『恋愛結婚が行われない』『遊びを特別な相手としか行わない』など、独自の文化を築いている。 主人公『ファイ』達は潜水艦に乗って島々を渡り歩き、様々な仕事を行うことで生計を立てていた。 享楽的・刹那主義的な思想を持つ『ファイ』、そんな彼に好意を持つようになる人間不信のツインテール少女『ルティナ』、同じくファイに好意を持つも『恋愛文化』がない島の出身の

    • 「スチームパンクとツインテール」第3話

      「手があるってどういうことだ?」 「ファイ。私を載せて、艦載機を操縦してほしい」 「お前と一緒にか?」 「ああ。奴の攻撃も届かないぐらい高高度まで飛んでくれ。それとルティナ、お前の『シリンダー・ガン』を貸与してほしい」 「え?」 「詳しい説明は後でする。頼む、ファイを死なせたくないんだ……」 「わ、分かったわ……」 ルティナが深々と頭を下げたのを見て、フラウディはシリンダー・ガンを手渡した。 そして、ファイは、 「よし、いくぞルティナ!」 そう叫び、艦載機に走っていった。

      • 「スチームパンクとツインテール」第2話

        それから数日が経過した。 「ねえ、ファイ」 「どうしたんだよ、フラウディ?」 フラウディはファイと一緒に甲板で見張りをしていた。 背中を合わせ、頭をぐりぐりと当てながら話をするファイ。これが彼女たち『カーム・ネイチャー』の民に出来る精いっぱいの愛情表現だ。 「あの子のこと、どう思うの?」 「ああ、ルティナか? すっげーいい奴だよ。 「あ、そう……」 それを聞いて、少しつまらなそうな表情を見せるフラウディ。 「あ、おい、いたぞ、獲物だ!」 「え? ……あ、ほんとね! 任せて!

        • 「スチームパンクとツインテール」第1話

          「く……こりゃ、やべえな……何メートルあるんだよ、この化け物……」 凪いだ海の上、水上機(複葉機であり飛行速度は遅いが、安定性が高くボート代わりに使用できる)から身を乗り出し一人の青年『ファイ』はつぶやいた。 目の前に居る巨大な怪物は『真鍮獣』。 体内に銅と亜鉛を貯めこみ、それを利用して真鍮の外骨格を身にまとった怪物だ。 気性は凶暴で金属製の艦船を好んで襲う性質、さらにその強力な外骨格が保つ強大な肉体は、しばしば人間にとっての脅威となる。 まだこちらと母船の存在には気づいて

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