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小学校教員の1日〜午前編〜

産休・育休・病休・休職を合わせると、私は16年間教員という立場にいた。

教員の仕事内容は(特に小学校教員)限りなくマルチタスクである。
なぜなら、こなすべきことがあまりに多く、その大半に「時間制限」がある。

私は学校現場から出向して現場以外の公共施設で教育を1年間担当していた。その1年間は、「自分のペースで仕事ができる」という有難みを毎日のように感じていた。

教員の朝は早い。そして目まぐるしく忙しい。
私がまだ独身時代の時。朝、行き渋りや問題行動が続く子どもの家に7:30に家庭訪問をし、今日の調子を確認して、今日頑張ることを一緒に決めて約束をし、そこから学校に向かうことをしばらく続けていた。
やる気にみなぎっていた20代の頃は、用務員さんよりも先に出勤し、「もう少し遅く来てね。」なんて苦笑いされたこともあった。

子どもができてからはそうもいかない。
子どもを保育園に送り、出勤時間ギリギリに到着。
そこから1日の授業で使うプリントや学級通信の印刷をし、教室で子ども達に挨拶をして宿題をチェックしながら朝の会を迎える。
欠席連絡のない子どもの安否確認のため職員室に走り電話をかける。健康チェックを忘れた子どもの体温をはかり、全員の健康調べを行う。「頭がちょっと痛いです」「すりむいたところが痛いです」という「先生、私のことを見て。僕の話聞いて、聞いて」というアピールを受け止めることで子どもとの信頼関係を少しずつ深めていく。
朝の読書や学習の時間に血眼で宿題のチェックをし、提出物を忘れた子の連絡帳に書き込みをし、保護者からのコメントが書かれた連絡帳をくまなくさがし、返信を書く。
ここまでで朝のエネルギーはほぼ使い果たす。
1時間目から4時間目まではトイレにいく暇もない。max15分しか続かないという子ども集中力が少しでも継続できるように、面白い話をしたり、視覚にうったえる教材を出したり、ときには手品をしたり演技をしたりしながら、さながらエンターテイナーのようにしゃべくり続け、子どもの意見をファシリテートしていく。
ほっとする間もなく給食時間が始まる。手洗いをしたか、消毒をしたかチェックしながら自らも手洗いをしてエプロンを瞬時に身に付け、給食配膳室に向かう。
給食を教室まで運び、配膳をし、その間にも、「先生、スープこぼしちゃった」などの応急処置をする。
やっといただきますをした瞬間、ダッシュでトイレに行く。子どもは食べ始めの2分は静かに食べる。それを過ぎると早食い王の子ども達のおかわり合戦とデザート争奪戦じゃんけんなどが始まる。公平なじゃんけんが行われているかジャッジをし、(これをしないとあとでもめると厄介である)給食の残飯をまとめ、いつまでも食べ終わらない子にちょっとだけでも食べて無理な分は残すように言ってまわり、配膳室まで食缶を運ぶ。

もうこれでカロリーはどのくらい消費しただろうか。続きは後編で。。

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