学校では学べなかったデザイン|北井さくらさん(大阪 / 10代)
LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?
━━ まず、LDSに参加してみてどう思いましたか?
高校生までは地元の学校にいて、特にデザインと関わる機会もなかったので、こういうコミュニティは新鮮です。年齢や職業や地域に関係なく、いろんな人が集まっているスクールってありそうでなくて。また「地域とデザイン」という土台があった上で、いろんな価値観とか考えがあって、その違いも面白いです。出身地の話だけで何時間も喋れるみたいな体験が自分には新鮮で。それに、100人いるかいないかぐらいだろうと思っていた参加者さんが300人近くいらっしゃったのにもびっくりしました(笑)
━━ オンラインプログラムだけでなく、福井や九州のフィールドワークにも参加してくれていますよね。その中で印象に残っているシーンはありますか?
リードデザイナーの福田まやさんの拠点である大分県の耶馬溪に行ったとき、養蜂をされている地元の方が、訪問する予定だったとはいえ、20人以上に蜂蜜を食べさせてくれる器の大きさで、特に印象に残っています。地域の方々の私たちを受け入れる姿勢がオープンマインドだったことにびっくりしました。普段からそういう姿勢の人たちが集まってる場所だから面白い地域になっているのかなって思ったりしました。
━━ デザインを学び始め、さらにLDSも始まって、ご自身にはどんな変化がありましたか?
デザインに興味を持ったきっかけのひとつは本屋さんで。ぜんぶ同じ文字と書体だったら手に取らないものも、デザインによって売れたり売れなかったりするのが面白いなと思って、デザインの専門学校に行くことにしたんです。
でも、LDSに入るまでは「広義のデザイン」とか「狭義のデザイン」といった言葉すら知らなかった。しかも振り返ってみれば、専門学校の1年目は狭義のデザインだけを学んでいたと思います。当時は、ボランティアなどの活動をやってみたいと思いつつも、ソフトの使い方とか技術の向上に向けて頑張っていたので時間もなくて。でも今では、専門学校では学べない広義のデザインを、こうやってLDSのプログラムに参加していろんな人と関わる中で学べていると思います。なので、LDSが専門学校2年目のタイミングで開校されたのは、すごくラッキーでした。
あと自分の性格にも変化があって。今まではそんなに積極的じゃなかったんですけど、人と関わることに前のめりになってきた感じがします。LDSで知り合った同世代と一緒に行った滋賀のファーマーズマーケットは印象に残っていますね。地元の十勝のマルシェとはぜんぜん違って、農家さんが卸した野菜を挟んでお客さんとお店の人の直接の会話が生まれる場所になっていて。当たり前にその状況があるのが素敵でしたし、時間の流れが穏やかでずっと居たいと思いました。
━━ 専門学校での学びやLDSでの経験を踏まえて、これからデザイナーとして活動する中で大切にしたい心持ちはありますか?
常に自分の原動力が「人のために」とか「誰かを喜ばせたい」みたいな思いでありたいし、いろんな人を巻き込んで、一緒に考えて一緒に作るようなことがしたいです。デザインだけをやるデザイナーにはなりたくないと思っていて、いろんなことができるというか、大きな意味でのデザインができるデザイナーになりたいです。
━━ ずばり、LDSに参加してよかったですか?
人やまちや自然との関わりを通じてデザインに向き合うことができたのはLDSのおかげで、この経験は生涯の財産になりました。そして人と出会い話をして、時には一緒に何かしようとなるなど、様々なきっかけをくれました。
この間、友人に「さくらは光ってる」と言われて驚きましたが、この半年で変化した証なんじゃないかと思ってすごく嬉しかったです。だからLDSに参加してよかったと胸を張って言えます。この経験を他の人に伝えていくことが私の使命です。デザインは最高におもしろい!
(聞き手|運営局 森谷)
地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者とが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。デザイナーはもちろん、行政職員 / 地域おこし協力隊 / 学生 / 経営者 / ディレクター / ディベロッパー / コンサルタント / 編集者 / イラストレーター / 理学療法士 / 八百屋 / 販売員 / 印刷業 / 百姓 など、多様な方にご参加いただいています。詳細は 公式HP から!
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