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地域に必要とされる「インタウンマーケター」をめざして|中野裕人さん(東京 / 20代)

LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 
2001年静岡県生まれ。2020年中央大学経済学部国際経済学科入学。株式会社ユニクロ、スターバックス コーヒー ジャパン株式会社の2社で接客業務に従事した後、2021年株式会社マチルダに入社。家庭料理のテイクアウトステーションの開発及び運営を担当。2022年株式会社マクアケに入社し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」のPR・マーケティング・イベントを担当。その他、福井県越前鯖江地域の産業観光イベント「RENEW」、2024年春に開業予定のイマーシブ・テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」に参画。
 インターン先の先輩がリポストしたTSUGIの新山直広さんの投稿でLDSの存在を知る。ちょうど地域の現場に関心を持ち始めたタイミングだったこともあり、(LDS開校のきっかけとなった、一冊の本)「おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる」を読み、参加を決意。

━━ プログラムのなかで印象に残っていることはありますか?

新潟の上古町商店街を拠点に活動されている、hickory03travelersの迫一成さんのレクチャーに衝撃を受けました。迫さんが普段商店街の方とやりとりをするなかで、これから起こそうとしている動きとそれをしなかった場合の商店街のありよう、姿を説明しつつ「明るい未来と暗い未来だったら、どっちに行きますか。」という問いかけをする。そしてこういう2択を前にすると、人はやっぱり明るい未来、明るい商店街を選ぶわけで、自然と一緒にやってみたいという気持ちが湧いてくるんですよね。こんなにシンプルに人をわくわくさせることができるんだ、とはっと気づかされました。

レクチャー後もSlack(LDSの参加者が使用しているコミュニケーションツール)で届いた参加者からの質問や感想、アウトプットの全てに対し、ちゃんとひとりひとりに向き合って、そのひとの力になるような言葉を紡いでコメント、フィードバッグを返されているのも印象的でした。

また、自分が楽しんでいてこそ、その空間が楽しいものになる。だからまず自分が変わらなければ始まらないし、空気は自分で作るものだ。というメッセージは、現在の土台となっています。

━━ LDSに参加する中で自分のなかで起こった変化はありますか?

内定をもらっていた某大手広告代理店に就職するのを辞め、一年間休学することを決めました。というのも、リードデザイナーの小林新也さんが活動されている島根県の温泉津や、新山直広さんが拠点にしている福井県の越前鯖江エリア、佐藤かつあきさん・福田まやさんがフィールドにされている九州地方(熊本県阿蘇郡南小国町・大分県耶馬溪町)などに訪ねて、実際色々なお話を伺うなかで、自分の本当にやりたいことは、都市部や消費地ではなく、地方や生産地にあるのかもしれない、という疑問が湧いてきてしまったんです。

リードデザイナーの方々が地域に根差して、畑作業を手伝ったり、自ら店頭に立ったり、草むしりをしたり。それぞれにしかできないようなやり方で、デザイン以外の仕事もしながら、その土地の伝統文化や風土のために全身全霊を尽くして、実際に地域がよくなったり、面白くなったりしているところを目の当たりにするなかで、気づいたら内定を蹴っている自分がいました。

地域での仕事は、自分が見渡せる範囲の感覚の中で、関わっている人や自分がやってることに対するリアクションを感じやすかったり、代えがきかない状況で取り組むからこそ得られるやりがいや生きがいがあったり、大変だけど楽しいと思えることが沢山あると知って、その道に進みたいと強く思いました。

━━ 素敵な気づきですね。進路が変わったいま、これからやっていきたいことはありますか。

来年は1年間休学することにして、地域に生きるデザイナーの元(春からhickory03travelersで長期インターン予定)で、現地現場で成果を生み出す力を身につけたいと思っています。

座学や擬似体験ではなく、結果やアウトプットの厳しい世界で実践のデザインを経験しながら、地域に根ざして活動する「インタウン」の姿勢や考え方を全身で吸収し、リードデザイナーのように自分のフィールドを持って地域や日本の魅力を最大化する存在になりたい。

あと、生意気かもしれないんですけれど、堀内康広さんが運営するトランクデザインのこれまでの歩みについてがまとめられた、「DOOR to CRAFTS」というZINEの中で綴られている「たくさんある椅子の中で空いている椅子を探すのではなく、誰もいないところに自分で椅子をつくる方が、ナンバーワンになれる可能性があるかもしれない」というメッセージがとても印象に残っていて。

LDSに通い、リードデザイナーに追いつけ追い越せの気持ちで取り組みながらも、僕は「インタウンデザイナー」ではなく、これまで培ってきたマーケティングの力で創造的な産地をつくる「インタウンマーケター」になる道を目指しています。

そして将来的には、日本全国いろんな地域から声がかかって、その地域その地域でしかできない提案、アクションをしつつ結果を出せるようになれたら理想ですね。「広く浅く」でも「狭く深く」でもない。「深く広く」にチャレンジして、唯一無二のマーケターになりたいです。

━━ 応援しています! ありがとうございました。

(聞き手|運営局 田渕)


地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者どうしが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。現在、24年度のエントリーを受付中です!デザイナー(志望)はもちろん、イラストレーター / 大学生 / 行政職員 / 地域おこし協力隊 / 販売員 / 製紙業 / 百姓!などなど多様な肩書きの方にエントリーいただいています。詳細はこちらから!

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