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2023年になってやっと見えてきたライブコマースのKPI

3回目の記事となります。予定ではインフルエンサーがライブコマース案件を受けるメリットがあるかどうかについて書こうと思いましたが、優先度として、ライブコマースのKPIを2023年の早いうちに全員が基本認識を揃えられるよう最低限決めておいたほうがいいかなと思い、今回はライブコマースのKPIについて書くことにしました。
お時間のある方は、ぜひ過去記事と合わせてご覧ください。
1回目 ライブコマースがブームではなくなった
2回目 なぜインスタライブなのかわからない

ライブコマースのKPIとなりうる2条件

はじめに、SNSの場合、みなさんはKPIを以下あたりを置いているのではないでしょうか?(KPIとは?参考にまでに

  • フォロワー数

  • いいね数

  • コメント数

  • 保存数(Instagram)

  • RT数(Twitter)

  • リーチ数

  • エンゲージメント数/率(リーチやフォロワーを母数としたときの反応数/率)

  • UGC数

など。
だいたい上記に収まります。なぜ上記に収まるかというと、SNSで取れる指標である上記が最も簡単でわかりやすいからです。
このような指標がSNSのKPIだと決まってきたのは、SNSが一般化してきた2013年~2018年くらいでのできごとであると記憶しています。

ということで、ライブコマースのKPIについてもそろそろ業界として決めておいたほうがいいのかなと思います。SNSのKPIを参考とした場合、以下の2つの条件がKPIとなり得るため必要となります。

  1. ライブコマースのどのツールでも簡単に取得可能な指標であること

  2. 指標を満たした際に大目的である効果的なライブコマースであると言えること

ライブコマースには配信ツールがたくさんあります。私が使ったことがあるツールや、よく見るツールだけでもパッと以下のようにたくさん思い当たります。

ライブコマースを配信できるツール(ごく一部)

これらのツールはもちろんそれぞれ独自のUIや機能、分析項目などがありますが、まずはライブコマース業界全体としては共通して簡単に取得できる指標である必要があります。

そして、その指標が高まったときに効果的なライブコマースであると一般的に言えないといけないというわけです。

長くなりましたが、次項でライブコマースのKPIを記載します。

ライブコマースのKPIの基本は3つ

ライブコマースのKPIとしては以下の3つでいいと思います。ここまで長く書いてきた上で、なんだそんなもんか!そんなの知ってると思われるかもしれませんが、再確認の意味でも以下の3つをとりあえずお持ち帰り下さい。

  1. リアルタイム視聴者数(最大数視聴数/下げ止まり安定視聴数)

  2. 総コメント数

  3. 商品リンククリック数(配信後1時間まで)

KPI①:配信への興味を測る『リアルタイム視聴者数』

視聴者数はセッションの積み上げで表示されたほうが多く見えるので社内説明用などにそっちを使われたり、配信後24時間のアーカイブ視聴までも含めた総数が報告されたりしますが、結局のところリアルタイムで何人見てたかが一番です。これが高ければ他にも寄与するので問題ありません。
とにかく、積み上げとアーカイブの視聴数は二の次で!
リアルタイム視聴者数はツールによってだいたい1分ごとに計測できますが最大視聴数と、下げ止まった安定視聴数を見て、平均値を把握してKPIとしてください。これらの数字が上がると、配信に興味を持って滞在してくれた人が増えてきているのかどうかがわかります。

KPI②:配信への参加度を測る『総コメント数』

基本的には総コメント数が多ければ多いほど、その配信は視聴者が参加する余地があり、ライブ感があった、視聴者とのつながりを作ることができたと考えてよいでしょう。
ハートマークが押せるツールもあり、ハートがたくさん押されたほうがいいと思う方もいるかと思ますが、ハートは内輪票で連打して一人で1000回マシンのように押してしまう人がいる傾向があるので、本質が濁る傾向にあるためハートはいったん大きなKPIからは外したほうがいいと思います。
コメント数の目標はリアルタイム視聴者数よりも多い状態を目指しましょう。
例:リアルタイム視聴者数100人だったら100件以上のコメント数

KPI③:購入意欲が働く配信だったかを測る『商品リンククリック数』

最終的には商品リンクがクリックされたかどうかで、その配信が商品と連動しており、視聴者の購入意欲に結び付いたのかを測ることができます。リンク遷移後のカート落ちなどもあるかもしれませんが、まずは配信の中で紹介した商品をクリックしてもらないことには始まりません。インスタライブなどの場合は、プロフィール欄に商品リンクを固定することでできるでしょう。
商品リンククリックは配信後1時間まででいったん見ておくとよいです。1時間以上経ってから増えることは私がサポートしたライブコマースではあまりありません。極端に言うなら20分くらいでピークは終わる傾向にあります。目標数値としてはとりあえずリアルタイム視聴者数の50%程度を目指しましょう。視聴者の期待と商品がマッチしていれば最終的なCVRは10%程度になる傾向があります。

クレジットを込みでしたらご自由にお使い下さい

ライブエンゲージメントへ

ライブコマースはコマースという言葉が付いているため、比較がEコマースとなり、売上の結果だけで評価する傾向がありますが、そういったライブコマースは、2023年以降は減ってくると思います。その理由は、ライブコマースは即時的な売上による費用対効果には向かないためです。

月に100時間配信して1000万円達成とか、越境ECを行って1000万円達成とかはあるかもしれませんが、1000万円だけが独り歩きをしてしまっているようにも感じます。ライブと視聴者の間にある価値を考えることをせず、即自的な売上を上げる手段としてライブコマースを取り入れてしまうとおそらく怪我をします。

かつて、SNSが市場で理解されてなかったときは、SNSアカウント開けたら勝手に誰かが無料で宣伝してくれて拡散されて売れるんでしょ?みたいなことが横行していました。
SNSの本当の価値はフォロワーとアカウントが織りなすエンゲージメントの価値であると気づいたのは、本当にここ最近です。

2023年のライブコマースでは、ここでお話ししたKPIを踏まえて、継続的に計測し、視聴者とどんなライブエンゲージメントを形成していくことができるかにウエイトを置きながらライブを運営をマーケティングできる企業が勝つのではないかと思います。

おまけ

とりあえず社内説明のためにも売上を上げたいと言われたときに私がよく使う質問は
『最近、ライブコマースで買った商品はなんですか?』です。
その担当者が買ったことがないのであれば、ライブコマースで買ってみることから始めましょう。ちなみに私が最近買った商品はGUのスタイルヒートと韓国のグミです。


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