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効果があったライブコマースの集客方法2選

先週、2件のライブコマースの相談を受けたのですが、いずれに共通することは集客をインフルエンサーに頼るということでした。どうして自社での集客を行わないのか?と確認すると、集客手段としてのSNSをやっていない、集客対象がターゲットと異なるといった回答がありました。
今回は、ライブコマースにおいて中身よりも大事な集客について書いていきたいと思います。

ソーシャルコマースの一部であるライブコマース

ライブコマースはソーシャルコマースの一部です。Shopifyの公式ブログ曰く「ソーシャルコマース (ソーシャルEC) とは、SNS (ソーシャルメディア) やサイト上で、他のユーザーとつながったり、コンテンツを共有しながら、商品やサービスを宣伝する仕組みのことです。」と書いてあります。ソーシャルコマースの種類には、以下の4つに分けられるようですが、詳細は各リンクをご確認ください。

CtoC型
SNS・ソーシャルメディア型
レコメンド型
ライブコマース

さて、世界的にライブコマースがソーシャルコマースの一部であると定義されていることを前提であると理解したときに、ソーシャルメディアでの集客が大前提であるという結論にも至るでしょう。実際、SaaS型のライブコマースツールを導入している企業様は、利点として、オリジナルのURLを発行してSNSに拡散できます、SNSでも同時配信できます、などといったことを聞いているのではないでしょうか。

ライブコマースは集客が8割

以上より、ライブコマースは集客できてなんぼであり、配信の中身は集客ができる前提になって初めて考えるくらいがちょうどいいと思います。

ライブコマースの集客はテレビショッピングと明確に違うのは、受動的なながら見が存在しないことです。テレビショッピングはなんとなくテレビをつけていたら始まる、受信画面であるテレビは全世帯になんとなく置いてある、といったもので受動的ですが、ライブコマースはSNSで告知して、その時間にスマホをオンにして能動的に視聴してもらう必要があります。
ちょっとここで想像してほしいのですが、読者の皆さんがスマホで決まった時間に能動的に行動していることはなんですか?書いてて私はパッとは思いつきませんでした(笑)
(ファッションブランドの限定新商品発売のオンラインスタートと、人気映画のチケット発売くらいかな)

オンライン状態の待機民を作ることが全て

つまり、ライブコマースの集客を成功させる秘訣は、とりあえずSNSでリンクをシェアすることが本質ではなく、能動的に見たいと思っているオンライン状態の待機民を用意することでしかありません。能動的に見たいと思っているオンライン待機民の作り方には2つの方法があります。

効果があったライブコマースの集客方法2選

  1. 自前のSNSを日々運用してライブコマースまでのストーリーを設計する

  2. インフルエンサーが配信直前に頑張る

1つ目の「自前のSNSを日々運用してライブコマースまでのストーリーを設計する」は、日常的に運用している自前のSNSでフォロワーに対してライブコマースがあることを告知するということに一見すると思えてしまいますが、肝心なことはストーリー設計です。プロセスエコノミーとでも言いましょうか。例として、毎週Twitterライブでライブコマースを行っているQoo10は配信の1週間前から配信日と商品の告知を兼ねたフォロー&RTの投稿を行っています。

参照:Qoo10公式Twitterの「Qoo10 Live Shopping」のツイートより 

キャンペーンクラスタに向けたただのフォロリツのキャンペーンじゃないか。と思われる読者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、これを1年以上前からほぼ毎日やっているんです。そんなライブコマースのアカウントありますか?もはやキャンペーンファンにとっては習慣になっていると思います。これはつまり、能動的にオンライン状態の待機民になっていると言えます。

そして、応募するたびにオートリプライが来て公式サイトに飛び、会員ではない人は会員登録、すでに会員の人はアプリ連携となるわけです。

Qoo10のキャンペーンスキーム

アプリを入れて会員になったらプッシュ通知も来るでしょう。このようなSNSをキャンペーンに振り切り、スキームを徹底していることで、スキームがキャンペーンファンにとってのストーリーになっており、私が見たときは同時視聴が3000人くらいいました。とある回では7000人以上の視聴があり、4000個売れました!と配信内で言ってましたのでCVRが50%以上ある効果的なライブコマースになっていると言えるでしょう。

ちなみに私はTwitterでオンライン状態の待機民を作る際にTwitterスペースを活用しています。ライブコマースの事例とは異なりますが、Twitter上であと5分後にキャンペーン始まるよとスペースを使って告知したところ、1000人以上のオンライン視聴を作り、開始後3分で6000件のUGCを生むことができました。

2つ目の「インフルエンサーが配信直前に頑張る」は自社のSNSでの集客に自信がない場合にインフルエンサーのSNSを使って配信をするときのポイントです。インフルエンサーに直前にめちゃくちゃ頑張って集客してもらいましょう。具体的にインフルエンサーにやってもらったほうがいいことは、

  • ライブコマースの1週間以上前から複数回告知で煽ってもらう

  • ライブコマース直前に自前のInstagramアカウントのストーリーで告知

  • ライブコマース直前に自前のInstagramアカウントライブ配信で告知

  • Twitterスペースにスピーカー(またはホストとして)参加

などでしょうか。こうすることで、インフルエンサーのファンのオンライン状態が整います。もちろん大前提として、インフルエンサーと商品親和性が高かったり、インフルエンサー自体がその商品を使っていたり、インフルエンサーのファンがそのライブコマースに出ることをお祝いしてくれるような関係値である必要があります。

参考までにInstagram140万人のメガインフルエンサーのりゅうじさんが
カゴメのシリアル「sove」をライブコマースしたときは同時視聴は1900人でした。

InstagramよりもYouTube(360万人)がメインで活動されているりゅうじさんですが、1900人の同時視聴は個人的には多いなと思っています。

カゴメ soveのライブコマースのスキーム

soveのライブコマースの最終的な結果はわかりませんが、soveは昨年10月にできたカゴメの新ブランドなので、PRの要素が強いライブコマースだったのかもれません。また、サブスク型の定期購入の商品なので、このライブコマースでエントリーユーザーのLTVが高くなればいいのかもしれません。KPIをどう設計しているかはさておき、インフルエンサーを活用したライブコマースの視聴数の参考になればと思います。

ちなみにライブコマースのCVRは10%が平均的だと考えていますので、インフルエンサーを起用する際は、1回の配信への費用対効果を求めるよりも、インフルエンサーを活用したPRとしてのライブコマースや、インフルエンサーをKOL化して、一緒にコミュニティ作りまでできるような継続的なライブコマースがオススメです。

2月12日から2月16日まで5日連続で行われている京都市による「京都の伝統産業ライブショッピング」という企画があるのですが、こちらは、

と、InstagramからYouTube、TikTokまでいろいろな角度とフォロワー数のインフルエンサーを起用したライブコマースが行われます。さっそくですが、2月12日に行われたライブコマースは以下より視聴できます。
SaaS配信
ゆうさんInstagram配信
Instagramの同時視聴数は40名前後となっていました。

京都の伝統産業ライブショッピング 2月12日 ゆうさんの配信

まとめ

ライブコマースはソーシャルコマースの一部であり、集客が8割です。集客するためには、ただ告知をすればいいのではなく、そして、ただインフルエンサーを起用すればいいのではなく、能動的視聴をしてくれるオンライン待機民をどうやって作れるか、何人作れればいいかを戦略設計しましょう!この戦略設計なしに、ライブコマースを配信することをゴールにしているライブコマースは2023年は淘汰されると考えます。


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