紙袋には花束がひとつ
帰り道に花束を買った。
いつもはスーパー西友に売っている同じ種類の花が3本セット300円になっているものを買うのだけれど、今日は南青山にあるちょっと有名な(インスタのフォロワーが1万人もいる)お花屋さんに寄った。
太陽みたいに元気な黄色の壁がかわいらしい、入り口に観葉植物がどっさり並んでいるお花屋さんだ。
中では優しそうなお兄さんがひとり、忙しそうにディスプレイを整えたり花を切ったりしている。
初めての場所でお花を買うとき、なんだか緊張してしまうのはわたしだけではないはずだ。とくに毎週のお花をスーパーで済ませている身としては、南青山のお花屋さんは少しだけハードルが高い。
西友のお花だってトルコキキョウやユリや紫陽花にガーベラと種類は豊富だけど、ここは見たこともないお花も不思議なかたちの観葉植物もあって少し格が違うような気がする。
それに忙しそうなお兄さんがひとりきりなので声をかけるのをためらっていたら10分くらいが過ぎてしまった。
花束を買いたいとく注文は決まっているのに、店内を目的もなくうろうろして、心のなかで「すみません」と声をかける予行練習をする。
3回「すみません」を練習したところで、えいっと勢いづけてて店員さんを呼び止めた。「ひまわりをいれて、おうち用に黄色いブーケをお願いします」
きいろいブーケ
実はお花屋さんに着く前は淡いブルーの紫陽花を買おうと思っていたけど、入り口をはいってすぐ目に止まったひまわりに心を奪われたのだ。
主張が強過ぎない、なのに明るくて優しい色合いのひまわり。
できあがったブーケは夏の代名詞であるひまわりを主役にした可愛らしいものだった。
丁寧に紙袋にいれて両手で注意深くわたしてくれるあたり、お店に入った瞬間からこのお花屋さんを気に入ったわたしにもうひとつのプラスポイントチャージ。
お店をでると、雨が降っていた。だけど紙袋には元気な黄色いの花束がはいっているから憂鬱な気持ちにはならない。
そういえば、花束を買って帰るときの心持ちは、美容室帰りと少し似ているなと思った。
嬉しくて、なんとなく背筋が伸びて、くすぐったいような気恥ずかしいような。すぐに家に帰らずにどこかに寄り道したくなるような気持ちである。
来週もまた花束を買いに、今度はまた違うお花屋さんにいこうと心にきめて夕飯の準備にとりかかる🐈
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