"HOPE" 希望の持つ力
あなたは今、スペインのピレネー山脈を登山隊の仲間たちと共に頂上を目指して進んでいる。
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多少吹雪いているのは気になるが、今のところスケジュール通りに進んでいて無事に登頂できそうだ。
大きな雪のかたまりが膝に当たったその直後、ものすごい勢いで体が飛ばされた。
目は開いているのに筈なのに何もみえない。地鳴りのような音が耳を塞ぐ。
苦しい。息を吸いたい。
口からも鼻からも呼吸ができない。
雪崩だ。
とにかく動いて表面にでなければ、泳がなければ。
上も下もわからない。とにかく動け、私の腕と足。ここでは終われない。
光がみえた。
と思った瞬間、また体がぐるぐると回転する。
他の仲間も一緒に滑り落ちている。頼む、誰も埋もれないでくれ。
勢いがとまった。助かった。
仲間たちは? 1, 2, 3, 4....... 良かった。全員無事だ。本当によかった。
荷物が雪崩で流された。。。
皆のポケットにはチョコレートと少しの食料しか入っていない。
地図はおろか、コンパスすらもない。
終わった。
せっかく皆、雪崩を切り抜けたのに、こんな終わり方あるのか。救助隊に居場所を知らせることも出来ない。
ここで皆で死を待つしかないのか。皆からも絶望のオーラが漂ってくる。
なんとか励ましたいが、何と声をかければ良いのかもわからない。私自身、ここで死ぬと思ってしまっている。
「隊長!! ポケットに地図が入ってました!!」
!!!!!!!!!!!!
コンパスが無いのは痛いが、地図さえあれば、、、!
いける! 皆、助かるぞ!
尾根があのように見えるということは、私たちは今地図のこの辺りにいるに違いない。
そして、太陽があそこにあるという事は、、、こっちが南だ。
よし、いける。
このルートで下山すれば絶対助かる。
見えた! 麓だ!
皆、よく頑張ってくれた。あの状態からでも、私たちは本当に助かったんだ。
「隊長! 雪崩に巻き込まれて、荷物を失った状況で一体どうやって自力で戻って来れたのですか?」
雪崩発生の情報を聞いて、救助の準備をしていた救助隊が尋ねてきた。
「私も、もうダメだと思いました。でもこの地図のお陰で奇跡的に助かったのです」
私は誇らしげに地図を見せる。
急に笑い出す救援隊。
「冗談をいう余裕があるなんて流石ですね。それはピレネー山脈ではなくてアルプス山脈の地図じゃないですか」
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上記の話は、8年位前に読んだ、ストーリーとしての競争戦略という本の中で紹介されていた実話です。
(実際にはもっとさらっと説明されていますが、リアルなストーリー調にしてみました。)
非常に濃い本で、他にも引き込まれる事例がたくさんあるのですが、この話だけは今でも何度も思い出します。
ストーリーの受け取り方は人それぞれで、全て正しいと思いますが、僕がこのストーリーを知った時に人は希望が無いと進むことすら出来ないんだなと感じました。
ふだんの生活で、雪崩レベルでの生死の危機に直面することはごく稀なので、中々気がつきにくいですが、あなたは、心の底から突き動かされるようなパワーを与えてくれる希望をもっていますか?
それとも、そのままその場に留まれば何も起こらず死ぬとわかっていながらも、今日も昨日と同じ日々を送っていますか?
その希望が正しいか、それとも間違っているのか。というのは一切関係がないのです。(決して、盲信的に何でも信じて頑張れと言っているのではありません)
100%信じれる希望があるという事実が、あなたに行動する力を与えてくれます。
行動しなければ、あなたの願いが叶う確率は0%です。
結果的にあなたの信じる希望が間違っていたとしても、行動をしている限り0%ということは有り得ません。1%でも可能性があるのであれば、それを100回やれば大体うまくいきます。
ストーリーに出てきた登山隊も、間違った地図がポケットから出てこなければ、その場に留まり亡くなっていた可能性が高いでしょう。
そんなこと言っても、希望なんて見つからない。という方。
僕もその気持ちは良く分かります。その辺りの考え方については、また後日noteでまとめていきますね!
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