日台間の籍の問題は、蓮舫さんのことを一旦忘れて!(2)
ファクトチェック歓迎します。
の続きです。
蓮舫さんを忘れて!(再び)
なぜ、蓮舫さんを忘れる必要があるか?
それは蓮舫さんに関連付けられることで、無意識に「蓮舫ケシカラン」と言う結論ありきのバイアスがかかってしまうからです。
結果、日台間の籍の問題を客観的に俯瞰することができなくなってしまうのです。
曖昧にする法務当局
前回(1)で、私自身の実体験を交えて紹介しました。
法務当局は、かつて「台湾籍を持つ日本国民の場合は二重国籍扱いにはならない」という趣旨の説明を、確かにしていました。だから、台湾関係者は、重国籍者の手続き義務に関しては心配する必要がなかった。
ところが、ある時点で、説明を従来とはがらりと変えてきました。まあ、説明内容に変更があろうと何だろうといいです。どう扱うのか体系的にはっきり説明してくれるならまだいいです。現実には、どうともとれるような曖昧な話にして、うやむやにしてしまおうという姿勢です。
(野党政治家を批判する理屈を完全否定してしまっては攻撃側の政治家などのメンツを潰しかねないとでも「忖度」したのでしょうか?・・ここはあくまで私の憶測ですが。とはいっても、変更後の説明で攻撃側の理屈を肯定しているわけでもない。うまく逃げ道を用意しています。)
こうなってくると、いくら真剣に、法務当局の「説明」なるものを聞いていても、「叙述トリック」にからめとられて何が何やらさっぱり・・となるのが落ち。「理解させよう」と言う説明ではなく「誤魔化そう」という説明いわゆる「霞が関文学」「ごはん論法」に素人がかなうわけがないので。
瀧本哲史氏のbot
故・瀧本哲史氏のXのbotに
というのがありました。
誤解なきよう。私は決して法務当局を詐欺師になぞらえているのではないですよ。あからさまな「部分的拡大」をやっているのは「二重国籍だ」「義務違反だ」と騒いでいる方々です。
法務当局は責任回避なのか忖度なのか、どちらにもとれるように曖昧な発言に終始しているだけ。
台湾籍は、日本では「外国国籍」として扱われているのか?
実際の扱いを追う・・・台湾籍外国人の場合
調べてみると、
※日本国籍を持たない「台湾籍」の在日台湾人について・・
であれば、日本の戸籍(日本籍配偶者に関する戸籍)の記述で国籍を「中国」と記載された、等の事例は見つかります。
(むしろそれが、次の「日本李登輝友の会」による「戸籍問題」の記事にあるように、大きな問題になっています。)
また、この立場の台湾籍外国人が日本への一般的な帰化手続きをする場合には、台湾籍離脱を要求される。なるほどこれも事実です。
ただし、これらの「事実」の「部分的拡大」が行われているのが大問題。
・「台湾籍」は日本では「中国籍」として扱われるのだな
という刷り込みで、「台湾籍を併有する日本国民」に迷惑な影響が出ているのです。
実際の扱いを追う・・・台湾籍を併有する日本国民の場合
すでに日本国籍を有している人が併有している台湾籍に関しては、当事者が持つ「台湾籍」を、日本の役所が、「中国」だの「外国の国籍」だのとして扱うと言う話はありませんでした。
「外国人」の手続きの場面では、国籍の記載の根拠として受け付けていた台湾当局発行の書面を、すでに「日本国民」である立場の方が併用する台湾籍に関する手続きでは、受け取らない扱いになっています。
だから、日本国民が台湾に帰化手続きをしても日本国籍は喪失しないという扱いがされてきました。
台湾籍を併有する日本国民の場合の扱いの話を、日本国籍を持たない「台湾籍」の在日台湾人についての話、から類推解釈しようと言うのは、アプローチ的に間違っています。
2020年には法務省民事局が日弁連に説明しています。
・日本以外に外国の国籍を有しているかどうかは、「外国政府の証明書」で判断する。
・ここでいう外国とは日本が独立国として承認する国家。
まあ、これで、台湾当局の籍を持っている日本国民は、外国の国籍を有する日本国民の扱いには入らないでしょ?と推測できるわけです。ご丁寧に次のような記述もあります。
台湾当局の証明書は「外国政府の権限のある者が発行した証明書」ではないよ。と念押ししているわけです。
この説明から、どうやって日台間で国籍法上の「重国籍」を導き出すのか? 説明していただきたいものです。
結語
蓮舫さんの問題さえなければ、
>台湾籍を併有する日本国民は、国籍選択についてどう考えればいいの?
という質問に
>日本国民が併有する台湾籍の場合は「外国」として扱っていないから義務対象にならないよ。
・・・で、終わっていたはずの話でした。
どういう事実が隠され、どういう事実が拡大され、結果どれだけの一般台湾関係者が迷惑を被ったか、是非考えてみてください。
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