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2006年ウイグルの旅 8*カシュガルで大バザールに行き西瓜を食べる

 ようやくカシュガルに到着。市場を通り抜けて町の真ん中の広場に出ると、なんとも美しい寺院があった。

エティガル寺院

 カシュガルの中心部に鎮座するモスク、エティガル寺院。

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 一般的にモスクには観光客がみだりに立ち入ることは良くない。ましてや女性が入ることはできないが、このモスクは観光客、女性にも開放されている。モスク内部を見ることはほとんど無いだろうから、私も入ってみた。

 仏教寺院や道教の道観、キリスト教教会など、偶像にあふれた宗教施設を見慣れた私にとって、メッカの方向にくぼみがあり、お祈りの時刻を知らせる時計があるだけのモスク内部は新鮮である。ただ目を凝らして見ると、白い壁には細かい模様が彫られ、足元の絨毯の織は美しく、やはり荘厳な雰囲気であった。

 エティガル寺院は観光客に開放されてはいるが、やはり毎日の礼拝や金曜日の大きな礼拝時には入れない。観光で訪れる人は、相手の宗教を尊重し、注意してほしい。

 エティガル寺院の外で面白いものを売っていた。

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 ゴーヤっぽいけれどオレンジ色? 何だろうと思ってちょっと遠慮してしまった。撮影までさせてくれたのに申し訳ない。
 後で大バザールでも見かけたので、その時は思い切って買ってみた。しかし何なのか不明、なので売っていた少年を(どげんすっとね?)という気持ちを込めて見ると、笑顔で手刀で切る様子をしてみせた。手にしたオレンジ物体を割ってみると、中にはぷるんとした赤いゼリー状のものにくるまった種が入っている。少年がそれをつまんで食べる様子を見せたので、恐る恐る食べてみると甘ーーーい!! バスに乗り込んだ後のオヤツになった。

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 ちなみに同行した先生のお一人がおっしゃるには、ゴーヤが熟れすぎるとこのような色になるとのこと。これからは捨てずに中を食べてみるとおっしゃっていた。

大バザール

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 この日は土曜日だったので、バザール内部は大いに賑わっていた。普通に気を付けるべきことだが、混んでいるところでは中国だから・ウイグルだからなどは関係なく、スリに気を付けましょう。

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 漢方薬店、

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 楽器とナイフを売るお店。なんでもそろう大バザール!!

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 西瓜売りのおじいちゃんです。すごく味のあるおじいちゃんだったので本当は目元をお見せしたい!

 西瓜を食べてから、スカーフやさんに立ち寄りました。観光客だとみるとふっかけてくるのは世の常、言い値で買わないのがコツとかで、いったん提示された金額から値切りまして1枚10元くらいになったのではなかったかな。その代わり、10枚などまとめ買いするのがマナーです。

 この時買ったスカーフは今でも現役で、シルクなどの生地ではないのでかえって使いやすく、スーツケース内の衣服をまとめるために使ったり、旅先でちょっと寒いときに首元を温めたりしてくれます。

「愛国主義教育基地」

 こんなところもあるのだ、ということでご紹介。

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 日本で学ぶ中国史で出てくる「西域を開拓」した将軍、班超。『漢書』を記した班固の弟でもあります。その人の像が堂々と立っていた。

 ここは「愛国主義教育基地」である。

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 班超は後漢代に西域に赴き、楼蘭で北匈奴の使者に奇襲をかけて打ち倒しホータン王を屈服させ、カシュガルで王をすげかえ、と大いに活躍した人物であります! この功績によって西域都護に任じられました。

 どんな場所であれ、そこにあるもの、出来事などいろいろ見たいと思った我々はお金を払って愛国主義教育基地なる上の施設に入ったのである。

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 班超とカシュガル王らしき人物が挨拶をしあうレリーフが刻まれていた。班超(左)のほうが王を見下ろす形で作られている。

 このあと、カシュガルの市内に入ったときに見た観覧車に乗りに行った。

旧市街と新市街

 観覧車から眺めると、旧市街と新市街がはっきり分かれているのが分かる。

 新市街には広い道とビル群。

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 一方、旧市街は全体的に土色だ。

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 上の写真、建物は崩れているのか取り壊されているのか。観光客としては旧市街の風情が残っているほうが嬉しいけれど、昔ながらのレンガ造りの、地震が来たら崩れる家に住むのは、住民にとってはヒヤヒヤものであろう。世界共通の課題だと思う。

雨が降って

 ウルムチを出てからここまで雨に遭遇しなかったが、カシュガルの最後の夜、雷雨になった。

 夜が明けてカシュガルを出発したときには、空がはっきりと違っていた。秋空となっていた。

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(続く)

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