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【復路の足取り】

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“僕はこういう人だから”
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#エッセイ

雑記⑱「誰かと語りたいことなんてなかった」

 誰かと趣味がバチハマりするのは意外と珍しい。同じ"〇〇好き”であってもその中身まで丸かぶりというのはまず少ない。先に忠告しておきますが、「Twitterを通じて趣味がバチハマりしている人と交流がありますけど」と宣う人に読んでいただきたい文章は無いので今すぐにブラウザバックしてください。(そりゃ条件先行で探せば居るだろって話なので。)  数日前、人と会話をするときに共通の話題を探そうとしても会話が弾まないことがわかりました。自分の話を押し付けることに抵抗がない人はそこで自分の

雑記⑰「点」

 最近モヤモヤしていてずっと考えていることがいくつもあるのですが、それらが同じ場所に積み上がっていっているような感覚があります。モヤモヤが全部一点で交わってくれたらまとめて解決されて楽なのになぁ、とぼんやり思っています。  「人を第一印象で判断してはいけない」「人は顔じゃない」「人を見た目で判断してはいけない」などといった考え方がある。色眼鏡で人を見ることはよくないですよ、相手の中身も見ましょう、というこれらの価値観に異議はない。顔や服装のクオリティが低い僕のような人間にと

雑談バナシ②

 昨日のバイト中に暇な時間があり、その日バイトリーダーをしていた同学年の可愛らしい女性の先輩と雑談をする時間があった。この先輩とはシフトが一日も被っていないので、顔を合わせるタイミングはほぼない。別曜日にヘルプで入ったとしても、おおよそお互いの休み希望に組み込まれいるので本当に会うことがない。  今週は偶然が重なって3日もシフトが被っていて、その2日目が昨日だった。  偶然重なった3日の1日目の時、「少なくとも大学が始まってからは一回も会ってないな」となんとなく思った。その日

窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』【#読書の秋2022】

 僕はスーパーでレジ打ちのアルバイトをしているので、それはもうたくさんの学生、社会人、ご年配、カップル、夫婦、子供連れ、家族連れの接客をすることになる。僕がバイトを始めてからはまだ1年半ほどしか経っていないが、始めた頃はベビーカーに乗っていた赤ちゃんが今はよちよち歩いていたりする。自分の親の少し上くらいの世代の人が急に赤ちゃんを抱っこしていたりして、お孫さんなのかな〜と思ったりする。この前までポイントカードを持っていなかった若めの男女2人組が、いつの間にかポイントカードを作っ

雑記⑮「深夜徘徊」

1.ノイズキャンセリング 先日昼間に散歩をしている時になかなかに素敵な珈琲店を見つけた。しかしその日はちょうど定休日だったため、後日改めて行くことにした。  それから数日が経った。その日は12時過ぎに起きるつもりだったのだが既に15時が迫っていた。急いで支度をし、一応、一軍の黒い服を着て珈琲店へ向かう。  時間によらず、僕は散歩をよくする。散歩しながら音楽やラジオを聴くのが凄く好きなのだ。だけどこの日は、何となくイヤホンをしないで歩いてみた。特に意味はなかったけど、何となく。

雑記⑭「懺悔」

1.駅前のベンチ 夕方から酒を呑み始める人の中の割とまともな人であれば自宅最寄駅に着いていそうな時間、の駅前のベンチに一人で座っている女性にとても惹かれる。どうか幸せに溢れた人生を送っていてほしいなと、その都度本気で願うばかりである。  先日、高校からの友人と夕方から呑みに行ったのですが、その帰りに最寄駅前のベンチに一人で座っている女性を見かけました。しかも、その女性が読書をしていたのです。あーあ、心の底から幸せな人生を送っていてほしい。優しい恋人がいてほしい。湯船にはワクワ

雑記⑬「責任背負えんのか」

1.真面目という生き方 自分に対して、なんとなく「不真面目ではないな」と思っている。 ただ、「生真面目というわけでもないな」と思っている。 でも、「真面目でいようとしてはいるな」と思っている。  ”自分がここにいていい理由”が永遠に見つからない。 これはある種の自己肯定感のようなものなのだが、これを手に入れるのが本当に難しい。 人に取り入る上手さ、人当たりの良さ、愛嬌、圧倒的コミュ力、人懐っこさ、サバサバ感。 世渡り上手な人に備わる能力がこれっぽっちもない自分に、流石に落ち

誰の心にも響かなくていい話

 意味わからん奴や大人数で飯を食いに行ったり飲み会をしたりするのが嫌な理由として、「意味がないから」「めんどくせーから」なんてとても面と向かっては言えない。なぜなら、自分にできる範囲の中で全員に良い顔ができるよう最大限の努力をしたいなと僕は思ってしまうからだ。八方美人、それが僕には心底気持ちよく感じる。  自分が時間・金銭・精神衛生面などで損をしても別に構わない。俺の人生は初めからそう決まっていたんだと思ってしまえば済む話だし。それに、もうそうして生きることしかできない。

人によるし、分かり合えない。

 「自分がされて嫌なことは、他の人にしないの!」と、母親に幾度となく言われてきた記憶がある。別に親の教えを守ろうとしていた訳ではないが、それを心がけることは自分にできる最大限の優しさのつもりではあった。でもそれを掘り起こしてみたら、「自分も嫌だったあの気持ちを、抱かせる側になんてなってたまるか」というなんともプライドの塊のような根源だった。  俺は誰にも嫌われたくない。そういう八方美人な人を嫌う人だっているだろうから、不可能なことだということも分かっている。でも俺は、こんな

卑屈を正当化する術がどんどん上手になってきた

 自分は生きる中で何が嫌で、何が苦しくて、何が苦手で、何がやってられないのか。入り乱れすぎててもうよく分からない。 とにかく、この2年くらいで屁理屈を考えることだけは圧倒的に得意になってしまった。  自意識を捨てられないだけのか、プライドを捨てられないだけのか、世間体を守りたいだけなのか、自己中・利己的なだけなのか。 今はどれを守りたくて捨てられなくて、逆に何なら捨てられるのか。  過剰な自意識に苛まれて、悪く見られたくなくて、その結果身動きが取れなくなる日もある。  自

人それぞれ

そう、人それぞれ。 あれもこれも、今悩んでるやつも、人それぞれ。 無責任で根拠もないけど、漠然と、人それぞれ。 少し前に見つけたとある恋愛指南系YouTuber(そんな分類があるか知らない。)がいる。 「脈アリサイン」だの「効果的な誘い方」だの「デート中にするとで喜ばれる気の使い方」だのを動画にしているが、僕が本当に好きなのはその動画のコメント欄の方である。 僕もこのYouTuberの動画を見ている以上、ある程度のプロトタイプや模範解答などが知りたいわけである。 恋愛をして

『人間』

はじめにnoteを始めてから読書をするのがより楽しく感じるようになった気がする。本を読んだ感想を自発的に書くようにもなった。小学生の夏休みの「読書感想文を書くための読書」はあんなに退屈なものだったのに、「読書を楽しむための読書感想文」はこんなにも有意義なのかと思わされる。僕はそんなにたくさんの冊数を読んでいるわけではないが、「この本を読んでよかった」とこんなに思える小説に初めて出会った。 1.感情移入この本を読み始めた時は何の疑いもなく主人公の「永山」の気持ちで読んでいた。

人生経験の檻

 わざわざ僕みたいな人間のnoteを読みに来てくださっている人になら、僕はもう憐れまれてもいいです。長い言い訳、どうかお許しください。  “人生経験”という言葉はめちゃくちゃ都合が良くて謎の説得力が生まれるのであまり使いたくないのですが、自分に対して「人生経験がたりないな」と思うことが最近とても多いです。  世の中の事象に対して斜に構えてしまい、それが世間とずれていると気がついていても自分の意見を引っ込められない。過去からずっと”斜に構えている自分“が首を絞めてきて、「僕

雑記⑧「人間関係」

1.利害の一致4月から大学が再開してペアワークをする必要があり否応でも人と関わらないといけなくなったり、バイト先の人と遊ばないといけなかったり。 春休み中もアルバイトはあったのでバイト先の人とは関わらないといけなかったですが、レジ打ちはほぼ機械作業。 ほとんどの時間が一人でレジに立っているため、バイト先の人と”会話”をするようなこともほとんどない。 それでも一日二言三言くらいは話すタイミングがあって、そのたびにいらない反省をする。 「なんであの言葉をチョイスしてしまったのか」