見出し画像

色気とセクシーとSexy

「つまり、色気を感じるものが、私は好きなのかも」
最近ぼんやりと考えていた。

これは、「ヨーロッパの”ちゃんと暗い夜”に、なぜこんなにも惹かれるのか?」というのを考える中で思い至ったことなのだけど。

考えてみると、確かに私は、街にも、音楽にも、お店にも、そしてもちろん、人に対しても、色気のあるものに惹かれる。

「色気」と言うのがポイント。日本語の「セクシー」は、英語のsexyよりもエロちっくな要素が濃い感じであり、それは私を惹きつけるものではない。

そんなことを思っていたところ、たまたま、スペイン×ポルトガルのミックスの男子と話す機会があった。色んな話をする中で、話題は「好みの異性のタイプ」の話になった。
彼は
「特に条件とかはないけど、Sexyな人が好き」
と言った。

ハイ来たセクシー好き。

日本だと一般的に「カワイイ」女子がモテる傾向にあるが、欧米では、「カワイイ」は子供っぽい感じであり、”大人の男性”は、「カワイイ」より、「セクシー」を好むと聞いていた。
「ブルータス、お前もか 」と思いつつ(別に私は彼に何も裏切られていないが)
最近、「私は色気が好きなのではないか?」と考えていたところだったので、突っ込んで訊いてみた。

「Sexyね。あなたのセクシーの定義は何?つまり、あなたはどんな人をセクシーと感じるの?」

彼はこう即答した。
“Being independent, clever and open-minded. That makes her sexy.”
(自立しており、賢く、オープンマインドであること。これを持った女性にセクシーさを感じる。(やや意訳))

おぬし…!私より結構若いのにやるな!
激しく同意だよ!ってか、私が最近考えていた、「日本語の”セクシー”ではないんだよなぁ。この私が惹かれる”色気”ってのは、なんと表現したら良いのだろう?」と考えていたのを、ズバリ表現してくれてありがとう。

そう。
私が感じる「色気」とは、安易で安っぽい、単なる肉欲の象徴のような「セクシーさ」ではなく、むしろそれとは真逆。

気品、知性、深み、柔軟さ、冒険心、独立精神、そして時に無邪気さ、無防備さ。そこにスパイスのように薫る、セクシュアルな魅力。

このようなものを複合的に絶妙なバランスで兼ね備えた状態である。

そして、この絶妙なバランスを成り立たせるベースとなるのは、確かに
”Being independent, clever and open-minded”
と言えるのかもしれない。

さらに、文字にしてみて改めて気づいたが、英語で綴る”Sexy”ではなく、日本語で書く”色気”と言うのは、それ自体、なんと色気がある言葉だろう。

色気というのは、ワンパターンに「赤い色を放っている人が、セクシーです!色気ムンムンです!」というような安直なものではない。
「十人十色」という感じで、「知性と芯の強さと、それゆえの柔軟さ、そして無垢さ」を土台に、その人の生き様から滲み出てくる、その人にしか醸し出せない色。そんな、燻銀のような深みのある”色”を放つ人が、「色気のある人」なのではないだろうか?

つまり色気というのは、それなりに人生経験を重ね、かつ、ただ生きているのではなく、時に苦悩を抱えながらも、己の人生に真摯に向き合い、”自分の道”を歩んできた人のみが放つことができるもの。
それゆえ、薫り立つほどの本物の色気がある人は、年齢性別問わず、人を惹きつけるのだろう。

せっかく生きているからには、年月を重ねるごとに、色気を増すような生き方をしたいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?