直感に従うことは、宇宙とハーモニーを奏でること。
いつもはひと仕事終えた夕方以降をお買い物タイムにしている。
しかし、なぜか昨日の夜から「明日は午前中に買い物に行きたい」気分だった。朝起きた時も「なんか今日は、午前中に買い物に行きたい」という気分は変わらなかったので、行くことにした。
「必要なものだけ買って、さっと帰ってこよう」
身軽に、財布とケータイ、それから買い物袋だけを持って部屋を出た。ら、仕事に向かう友達とバッタリ会った。
運河沿いの石畳の道を、黄色や茶色、オレンジ色の落ち葉をシャクシャクと踏みながら、「今日は天気が良くてあったかいね。薄いコートでも良かったな〜」なんてお喋りしながら歩き。街の中心エリアに近づくと、いつになく多くの人で賑わっていた。
「土曜だから?それにしても人が多いな」
そう思っていたら、友人がこう言った。
「あぁ、今日はシンタクラースが来る日かも」
シンタクラースというのは、サンタクロースとは別人物で、オランダの伝統行事の主人公。彼は12月5日に来ると聞いていた。だから、
「シンタクラースは12月5日に来るんじゃないの?」と訊くと友人は、
「そうなんだけど。12月5日の2週間くらい前に、船に乗ってくるんだよね」
と言った。予定日の2週間前に船に乗って来る?!仕組みがいまいちよく分からない。
サンタクロースは、12月25日オンタイムにトナカイと共に来るが、シンタクラースは、「海外出張」みたいな感じなのだろうか?2週間滞在して、そして12月5日に帰ると言うこと??
いくつものハテナが頭に浮かび、「ふぅぅぅ〜〜ん・・・」と答える私に彼は続けた。
「ほら見て。子供たちが変わった帽子を被ってるでしょ?やっぱり今日はシンタクラースが船で来る日だ。じゃ、僕の職場はあっちだから、またね !」
そう言って、友人は仕事場に向かった。
友人に手を振った後、彼が指差した方を見ると、運河の橋の辺りに、アラジンの帽子のようなものを被った子ども達がたくさんいた。帽子だけでなく、顔には黒いスス汚れ風のメイクがしてあり、服装は、ミケランジェロがデザインしたヴァチカンのスイス衛兵の制服のような衣装を着ている。
「ほほぅ。ここで待っていると、シンタクラースが船で到着するわけだな」
そう思って一瞬、待とうかと思った。けれど、”なんとなく”「まぁいいや。買い物行こ」と思ったので、運河の写真だけ撮って、買い物に向かった。
HEMAでホワイトボードとコショウを買い、袋に詰めていたら、”ふと”、「裁縫道具も欲しいんだった」と思い出した。それで、ちょっと歩くけれど、フライング・タイガーに行くことにした。
フライング・タイガーの店内で裁縫道具を持ってレジに並んでいたら、「ドンッ・ドンッ・ドンッ・ドンッ」と、週末の原宿を思い出すような大音響が聞こえてきた。
店の外を見ると、アラジンの帽子とヴァチカンのスイス衛兵の制服のような衣装を着た大人達が、「フォーーーー!!!オーイエェー!」という感じで、一昔前に流行ったパラパラを彷彿とさせるダンスをしながら、ノリノリでパレードをしていた。
「こ、これがシンタクラースなのか・・・?現代的というか、だいぶアゲアゲなんだな。意外だ」
そう思って見ていたら、ノリノリな”パラパラ・アラジン集団”が去った後、子どもの頃に観たクリスマス映画に出てきたような、オーセンティックな音楽が流れてきた。
「この雰囲気!やっぱり、さっきのはシンタクラースじゃなかったんだ。」そう思って待っていたら、白馬に乗ったシンタクラースがやってきた。
「運河で待っていなくても、シンタさんに会えてラッキーだったなぁ。裁縫道具を買いに来なかったらシンタさんに会えなかったから、『また今度にしよう』と考えず、買いに来てよかった。というか、午前中に買い物に来てよかった!」
子どもの頃から、クリスマス&サンタクロース好きな私は、思いがけずシンタさん(サンタクロースとは別人だが)に会えてとっても嬉しく、ウキウキしながら、帰路に向かった。
と、その途中で、いつも気になっていたが閉まっていて入ったことのない店が開いているのに気づいた。すでに予定の時間より長居していたから一瞬迷ったが、「せっかくだからちょっと覗いてみよう」と、5メートルくらい通り過ぎたのを戻り、お店に入った。
そこはハンドメイド作家の作品を受託販売している、セレクトショップだった。
「可愛いな〜」「これ面白いな〜」と、特に何も買うつもりもなく、ただ店内を見ていた。
そうしたら。「私のために作られた」としか思えないコースターに出会った。
実は引っ越してからずっと、可愛いコースターを探していた。しかし「探す」と言っても、この街の新参者である私には、どこに行けば好みのコースターが売っているのか、皆目見当がつかない。かと言って、適当な物で間に合わせるのは嫌。本当に気に入ったものしか買いたくない。だから、「当面、気に入ったコースターは手に入らないだろう」と考え、チーズ・スライサーのパッケージの厚紙を正方形に切って、コースターとして使っていた。
そんな状況だったので、「お金を出して買っても良いと思える、気に入ったコースター」を見つけられたのは、ちょっとした事件だったのである。しかも、単に「デザインが気に入った」とか「好み」と言う次元を超えた、深い意味のあるデザインだったから。
「Faith, Hope, Love(信頼・希望・愛)」これは、私の人生を貫く大切な言葉。
まるでシンタクラースからのプレゼント、そしてメッセージのようで、とても嬉しかった。
つくづく思うのだが、やはり、直感に従って行動すると、物事はスムーズに、そして、思った以上に素晴らしく進む。
「直感」と言うと、天啓のような、何か大袈裟なことを考えがちだけれど、もちろん直感とはそれだけではない。
毎日の暮らしの中でしばしば感じる、「なんとなく〜」とか「〜な気分」とか、「なんか気が乗らないなぁ」といった、ともするとスルーしてしまうような、小さな囁き声のような感覚。そんな微細な感覚も、大事な直感。
それは、宇宙(Something greatとか、目に見えない、人智を超えた何かと言ってもいい)が振る指揮棒のようなモノなのかもしれない。
そのサインをキャッチし、それに従って動くことは、宇宙とハーモニーを奏でること。だから、自分で考える以上に、物事がスムーズに運んだり、素晴らしく展開する。
まだうまく言葉にできないのだけど、人生というのは、自分だけで必死に生きるのではなく、天(とか宇宙とかSomething greatとか、呼び名はなんでも良いのだけど、「人智を超えた、大いなる何か」)と自分との、共同創造のような気がしている。特に最近。
人間同士のチームでプロジェクトをする時と同じで、宇宙とチームを組んで共同創造するときにも、大切なのは「相手を信頼し、オープンな心でコミュニケーションをとること」。
それはつまり、「自分に起こる物事は、すべて必要なことで、最高、最善のことが、最適なタイミングで起きているのだ」と、この世界を全面的に信頼し、「大小問わず直感を信頼し、それに従って動く」こと。
人間だって、自分のことを全面的に信頼し、オープンな心で話を聞いてくれる人には、もっともっと話をしたくなる。だから宇宙だって、信頼を寄せ、”直感”という形を通して送ったサインをちゃんとキャッチし、行動してくれる人に対しては、もっともっと、サインを送るようになるのだと思う。
過去を憂えず、未来を思い煩わず。
いま、ここに100%存在し、オープン・ハートで。
”宇宙とわたしの交響曲”を奏でていこう。
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