不耕起による「カリ過剰」の利用
果樹園などは特に耕起することはないのでおのずと不耕起栽培になります。
以前、無肥料で野菜と果樹をやっていて
どちらも土壌診断していたんですが
耕起する野菜畑はシーズンごとにほとんどの養分が痩せていくのに対し、
果樹園はカリを減肥してくださいと指示があるほどカリが過剰になります。
なぜ肥料もやっていないのにカリが増えるのかは原因はわかりませんが不耕起栽培はカリ過剰になるのは事実です。
耕すということは、生活圏を破壊された微生物たちが土を元に戻す働きになって土が不安定な状態になったり、
何度も何度も耕起すると最終的にはカチカチの土壌になります。
耕起は質でいえば良いことはない。
以前、綴った
・窒素循環
今回の項のテーマである。
・不耕起によるカリ過剰
それと
・アーバスキュラー菌によるリン固定
小さい頃から不思議だった、なんで肥料もやらない森の木があんなに大きく育つのか?
自然界の森林が成り立つのはこういった自然界のシステムがあったからなんですね。
このシステムは味方につけたい!
自然と闘わない。自然は味方につけることをモットーにこの不耕起によるカリを上手に利用したい!
カリは根の成長に使われると習うんですが、
カリの働きはタンパク質や炭水化物の合成・移動・蓄積など植物体内の様々な化学反応を促進する補酵素の働きがあり果実肥大に関与しています。
カリにはマグネシウムとカルシウムと切っても切れない関係があり、
上の図で三つの要素がお互いに実線の矢印を指し合っています。いずれも作物に必須の重要な養分ですが,どれかの吸収が多くなれば,どれかの吸収が妨げられるということです。
例えばカルシウムが過剰となれば,マグネシウムとカリウムの欠乏を引き起こし,マグネシウムが過剰となれば,カルシウムとカリウムの欠乏を引き起こすということです。
そのバランス(塩基バランス)として石灰:苦土:カリの比は5:2:1(当量比)が分かり易い指針として知られています。
このカルシウムとマグネシウムはなかなか自然任せだけでは賄いきれないので必要な分だけ施してあげます。
カルシウムやマグネシウムは天然のものも多く資材がありますので安心して使用できますよ○
ただしpHがアルカリに傾くと養分をうまく使いきれなくなるのでその辺りも計画しながら施さなければなりません。
畑のカルシウムなどpHを上げないカルシウム資材もあるので上手に活用しています○
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