夏の装いに合わせて楽しむ「マスクコーデ」を提案。Littlenavyが夏マスクを販売するまでの道のり。
コロナウイルスの猛威が少し落ち着き、アフターコロナなんていうワードも耳にするようになり、経済復興に向け少しずつ世の中が活動し始めているのを感じるこの頃。
それでもまだまだマスクをして外出することは必須で、私たちが経験したことのない"真夏にマスクをして活動する"という行為をしなくてはいけない状況がやってきます。
汗をかく季節になり使い捨ての不織布マスクは顔が荒れ、特にメイクをする女性の肌トラブルが急増しているらしく、世の中の布マスクへの関心はますます高まっています。
生活必需品となったマスクは、一時期は「とりあえずなんでもいいから欲しい」という状態から、ライフスタイルを彩るファッションアイテムの一つという考え方にシフトし、おしゃれに敏感な若者やトレンドに敏感な方は毎日のファッションに違和感のない、おしゃれなマスクを求めるようになっていると考えました。
もともと布マスクは少し反対派だった私ですが、現実問題手持ちの使い捨てマスクも底を尽きたし、顔が荒れて痒いから、暑くても快適に過ごせるマスクが欲しい。そんな思いから、この夏マスクを作品として世に送り出すことにしました。
取り繕ったようなマスクであれば近場で購入できるものでいい。ブランドを名乗って皆様にお届けするなら、一つの作品として自分が納得できる布マスクを作りたい。そんな私の欲求はふつふつと強くなり、シンプルなアイテムだからこそ、誰にも真似できない究極のマスクを完成させることができました。
まず私がこだわったのは、徹底的に素材にこだわるということでした。
第一印象を決める表地は、上質なリネン生地を使用。本来夏向けのワンピースやブラウスといった衣類に使用する日本製のリネンを仕入れ、マスクにするには勿体無いと思われるレベルの高品質な生地を使いました。
ざっくりとした質感ながら柔らかく、優しい色合いは夏のお洋服にとても馴染みます。どのカラーを選んでもコーディネートを損なわない3色を選びました。
裏地は肌に触れるため、自然由来の生地を使うということは最初から決めていました。そこでこちらも日本製の高品質なダブルガーゼに、エバークール加工という熱を発散させる加工を施したものを採用。30回程度の洗濯では効果が落ちなかったことが実証されています。
さらにノーズワイヤー。下の写真を見比べてみてください。
右から、ネットで購入し不採用になったワイヤー。真ん中が本採用のワイヤー。左が使い捨てマスクに使われていたワイヤーです。
ぱっと見わかりづらいですが、右端のワイヤーはちょっと硬めの食パンの袋を閉じるワイヤーのようなもので、マスクに使用すると硬さが気になり気持ち良くありませんでした。
本採用のワイヤーと使い捨てマスクに入っていたワイヤーは、見た目はほとんど変わりませんが本体の"しなり"具合が全く異なり、本採用のワイヤーはしっかりしなる印象でした。
そして品切れで入手困難な状況が続いていたマスクのゴム。一時期はウーリースピンという縫製で使うアイテムを代用しているものも多々ありましたが、こちらも気持ち悪いくらい試作し、納得いくものを見つけたのでご覧ください。
色違いのものもあったのですがそれは割愛。一番左端が本採用になったゴムです。すべてマスクゴム(紐)として売られていたものを片っ端から集めました。
丸ゴムと平ゴムの違いについてとても悩みましたが、長時間使う場合はやはり平ゴムの方が耳が痛くなりづらかったです。厚みや伸び具合など本当に多岐に渡り、途中で挫折しかかりましたが運命のマスクゴムに出会うことができました。
しっかりした厚みとボリューム感のある幅。とても安心感のある質です。繰り返しお洗濯することを考え、多少の水流にも負けないタフなゴムを採用しました。
材料が揃ったところで、マスクの形状についても非常に苦労しました。販売を決め試作を繰り返す中で、季節の移ろいによって人々が求めるマスクへの要望が変化していることを感じ、真夏に快適に使えるマスクの形というものを考え始めました。
上記のようなプリーツマスクやくちばしのような立体型のマスクも作りましたが、最終的に私がたどり着いたのがこの舟型マスクでした。
これのすごいところは、顔に触れる面積が極力少ないということ。特にメイクをしている女性はマスクが汚れたり、マスクをしていることでお化粧が落ちてしまうという悩みもありましたが、このタイプがもっとも効果的なように感じます。(個人差あり)
そして大きなこだわりポイント。鼻の部分と顎の部分の幅を変え、より顔にフィットするような形状を採用しました。
安心のノーズワイヤーも入れ、もう完璧な夏マスクです。
顔のラインに沿ってしっかりカバーされているのがお判りいただけますでしょうか。
とても良質な素材を使っているので、裁断したりミシンを動かす手もとても優しく、とても丁寧な作品になりました。ぜひ縫い目もじっくりみていただけると嬉しいです。
キッズベビーカテゴリで活動しているブランドなのでママの夏マスクというコンセプトを掲げていますが、もちろんママでない方にもぜひ使っていただきたいです。
本来であれば夏の行楽や観光など、お出かけの計画を立てていたはず。おしゃれをする機会もすっかり減りました。それなのにマスクをしないといけないという状況は、どうしても気分が落ち込んでしまうこともあるかと思います。
なんとなく優先順位の低いマスクですが、おしゃれで質のいいマスクは気持ちが明るくなりますし、毎日の生活が潤う気がします。
皆さんのライフスタイルに寄り添うマスクを作ったという自負はありますので、ぜひお役立てくださればこんな嬉しいことはありません。
Littlenavy 古田万智子
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