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お金を払って、切符を買う。

私自身が子供の頃は当たり前だった世界。

小銭を握りしめて、駅の券売機に並んで、ドキドキしながら切符を買う。

出てきたチケットは、今にもなくなってしまいそうなほど小さい。

それを握りしめて、改札を通過する。ホームに落ちるんじゃないかとひやひやしながら、電車を待って、涼しい電車に吸い込まれていく。

ドキドキしながら電車に乗っているもんだから、チケットが手汗でぬれていく。

チケットがしわしわになっちゃったら、改札を出るときに困るんじゃないか…なんて思いながら、おばあちゃんの駅まで30分ほど電車に乗る。

幸い、硬い紙のチケットはしわしわになることなく、到着駅の改札に吸い込まれ、ホッとしながら、おばあちゃんの家にたどり着く。


そんな古い記憶を思い出してしまった。

日本一時帰国中の今、ついに息子が電車デビュー。

もちろん3歳なので一人で乗ったわけではなく、一緒に乗ったのだけど、私も3年ぶりの電車とあって、ソワソワしてしまった!

最近お金の概念を覚え始めた息子のために、Suicaでピッではなくて、券売機で何十年ぶりかにチケットを買って、小さな切符を握りしめて。

ドキドキの長いエスカレーターに乗っていたら、ホームからいろいろな音が聞こえてくる。

がたんがたーん。ピンポンパンポーン。
見慣れない景色。大きな音。通過する特急。
それなりにたくさんの人。カラフルな電車。

グワッと押し寄せてくるさまざまな情報に圧倒されて、朝から「今日は電車に乗るの!」とワクワクしていた割に、固まっている息子。

「車掌さん見れるかな」「運転席見れたらいいね」なんて言ってたのに、ホーム中ほどで歩みを止めてしまって、なんてことない普通の車両に乗り込んだ。

騒いじゃうかな?という心配はよそに、なんだかソワソワしっぱなし。狙っていた各駅停車は、良い感じにすいていて、二人で並んで座ることができてホッ。

少し前までは毎朝寝ぼけ眼をこすりながら乗っていた電車が、こんなにも新しい感覚とともに乗ることになるとは。

記念にと撮った写真には、マスク姿の自分と、硬直した息子が映っていた。

また、乗ろうね。

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asa|minimalish life
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