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【カラダ】骨を整列させる

前回に引き続き、りとるジムのフィジカル指導コンセプトを紹介します。

① 関節のスキマを作る
② アライメントを整える
③ 1と2を保持した動作で鍛える

今回は、②アライメントを整える、です。
骨は積み木のように積み上がっています。骨が適切に整列して積み上がっている状態を正しいアライメントであると言います。

今回はそんなアライメントのお話です。


骨が整列していないと筋肉が硬くなったり、関節が正しく動かなかったり、関節の中にある軟骨に傷をつけたりします。もちろん、関節が正しく動くことがでいないのでケガにもつながります。

アライメントか崩れている状態を「ゆがんでいる」と表現することがありますが、私はこの表現があまり好きではありません。
時々、「治療院の先生に“骨盤がゆがんでいる”と言われました」とか「“股関節がゆがんでいる”と言われました」などの話をされます。骨盤や股関節がゆがんでいる体とは一体どんな状態なのでしょうか?私でさえイメージできません。実際、それを言った本人(治療院の先生)でさえわかっていないことがあります。なんとなく、左右の腰の高さが違うから、これは骨盤や股関節がゆがんでいると言っておこう、といった具合です。「ゆがんでいる」という言葉の方が“それっぽく”聞こえるし、患者さんも「え!治さなくちゃ!」という気持ちに陥りますからね。

アライメントの乱れと筋肉について

骨はその役割を果たすため、効率よく働くことができるような形できています。そして効率よく動くことができるように整列しています。

単純に考えて、関節が動くと筋肉の長さが変わります。

肘を曲げて力こぶを作ることをイメージしましょう。
肘の関節を曲げることで、表側の上腕と前腕の距離が近くなり、二の腕の筋肉が短くなって太くなった結果、力こぶができます。
肘を曲げたことで腕の裏側は真逆のことが起こります。裏側の上腕と前腕の距離が遠くなり、上腕三頭筋の筋肉が細く長くなります。
肘を伸ばした状態で骨がきちんと整列していれば、上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋肉は適切の長さに保たれリラックスしています。

肘が伸ばされた状態で骨がきちんと整列していなかったらどうなるでしょうか?

関節が動いていない時、筋肉は本来、適正の長さでリラックスしているはずです。しかし、骨の位置がずれると筋肉の長さが変化します。筋肉は短くなっても長くなってもリラックスできません。常に緊張していることになります。

さらにイメージしてください。こんな状態から関節が動くのです。こんな状態で肘の曲げ伸ばしが起これば、筋肉にさらに負担がかかります。これを長い間繰り返すと筋肉を傷めることになります。

筋肉のこりは、必ずしも筋肉が短く太くなって固くなっていることではありません。
筋肉は、長い時間の間、適正の長さよりも細く長くなっていても“こり”になります。例えば背中のこり。長時間デスクワークをして背中を丸めていると、背中の筋肉は適切の長さより伸びた状態をキープしていることになります。背中の筋肉が硬くなるのは「これ以上筋肉を伸ばさないでください」という体の訴えです。
これを(下手な)マッサージでほぐすとどうなると思いますか?硬くなった筋肉をマッサージで“伸ばして”しまうと、筋肉はさらに伸びてしまいます。ただでえこれ以上伸びたくない!と訴えているので、またすぐに硬くなります。だから一時的によくなる(ように感じる)だけでまたすぐに戻るか、もしくは、悪化します。

ちなみに、治療が上手な人は筋肉が伸びすぎているのか、縮みすぎているのか判断できます。そして、伸びすぎた筋肉は縮めて、縮まっている筋肉は伸ばして、適正な長さにしています。

アライメントの乱れと軟骨

膝の関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)から成り立っていて、それぞれの関節面は、互いの骨がはまるような形をしています。関節の中、脛骨の上に半月板がのっています。表面には大きな丸みのある骨、膝蓋骨(お皿)があります。

膝の関節 右膝を正面から見たところ 

適切なアライメントで骨が整列している時、骨が半月板にプレッシャーおかけることはありません。

もし、大腿骨、もしくは、脛骨のどちらかが捻転(回転)したらどうなるかイメージしてみてください。

どちらの骨が捻転しても、半月板に影響が出ます。もちろん、筋肉の長さにも影響が出ます。そんな状態で膝の曲げ伸ばしをすると痛みが出たりケガになります。

頸椎(首)と頭のアライメント

背骨は、腰椎(5個)胸椎(12個)頸椎(7個)が積み重なっています。
腰椎の上に胸椎がのかっていて、胸椎の上に頸椎がのかっています。7個の頸椎が整列しないのは、そもそも胸椎や腰椎のアライメントが乱れていると言えます。

頸椎のアライメントの乱れは、回旋すること、前方に移動することによって起こります。横にズレることはありません。

腰椎と胸椎のアライメントが整っていると、綺麗な姿勢になります。その上に頸椎がのり、さらにその上に頭部がのります。

猫背のように背中が丸まった状態では、頸椎がその上に乗ることができず。前方に傾きながら骨をずらしてが積み上がっていきます。ですが、そのまま頭も一緒に前傾してしまうと前を見ることができません。だから、頭だけ起こすことになります。結果、アゴが前に突き出て、首が大きく曲がります。

頭は重いので、体全体が適切なアライメントであることで支えることができています。
アライメントが乱れて、斜めに傾いた頸椎の先に頭が無理にぶら下がっている姿勢では、とても負担がかかります。

正しいアライメントだと立っているのが楽になる

骨は積み木のように積み上がっているため、下方にある骨が整列して並んでいないと、上方に悪影響を及ぼします。

右)1箇所だけでも骨にならびや、関節のスキマが狭くなると、
それを調整するために体のあちらこちらに無駄な力がかかる。

このブログの中でも「足」について何度も書く理由の一つはこれです。床と唯一接地している足の骨が整列していないと、その上に積み上がっている骨に歪みが出るからです。

骨が整列した適切なアライメントの姿勢は、「綺麗に見える」「背が高く見える」「手足が長く見える」「リラックスして見える」と表現されます。とても堂々と自信に満ち溢れているようにも見えます。

そして何より、立っているのが楽になります。
無駄な力が必要ないからです。

少し前ですが、日本のアーチェリー選手がオリンピックでメダルを獲得した時にテレビで見た内容です。
女子選手の中に、ほんわかとした雰囲気の、失礼ですが、アスリートっぽくない選手がいました。その選手は腕立て伏せは全くできないけれど、1時間微動だにせずに立っていることはできる、とのことでした。アーチェリーなので体をぶらさないことが基本なのでしょう。とてもカッコイイ!と思いました。

アライメントをキープして動く

せっかく骨が整列しているのに、動き出した途端に乱れる人がいます。
立っている姿勢はOKでも、歩き出した途端に乱れてしまっては、ウォーキングをするだけで体のどこかに痛みが出てしまうのです。

アライメントの乱れがマッサージだけで改善できない理由はこれです。
マッサージで骨を整列させることはできます。その整列した骨をキープして動くにはトレーニングが必要です。

りとるジムでは、普段の生活の中でも「骨を整列させておく」「アライメントをキープする」ことを目的にフィジカル指導を行なっています。

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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp

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