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観覧車の二人

秋の夜 観覧車の中の二人は
甘い金木犀の匂いにつられ
儚い夢へ

十月の月は
白くひかって
二人を照らす

照らさないで
染みだらけの二人だから
彼は繰り返す

照らさないで
汚れているだけだから
彼女は言う

そして観覧車の中の二人は
月明かりを逃れて
抱き合った

そして観覧車の中の二人は
慌てて

飛び込んだ

   深い淵の底へ