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夏めく曲

前回の「音」に続いて。

久石譲さんの「Summer」を聞くと、夏休み前の放課後の教室でぼーっとしたあと外へ出て、セミがジージー鳴く、周囲の木々や田んぼの緑がキラキラしている田舎道を歩いている気分になる。時々足を止めて寄り道したり、何かを見つけて惹きつけられたり。風が横からしゅお〜っと吹いてきたり。
この音楽がテーマになっている映画は見たことがないので、自分が感じたままの風景が浮かんでくる。
今の夏ではなくて、子供の頃の夏。懐かしい気持ちが引き出されてくるような音色。
音楽(私にとっては特にピアノの音)って、過去も現在も未来も、今目の前の小さな世界も遥か遠い宇宙も、その音色から感じられたりすることにいつも感動する。

ヨルシカさんの「花に亡霊」という曲をピアノの演奏で聞いて知り、気になって原曲を聞いたらとてもきれいな曲だった。
そのときの気分によって聞きたい音楽って違ったりするけれど、夏は太陽ギラギラやる気みなぎる!みたいな暑苦しい曲よりも、繊細で柔くキラキラしているような夏めく曲に浸る時間が私は心地良いことが多い。夏の始まりの控えめなわくわくとか、夏の終わりのちょっと切ない気持ちとかが、音楽から風みたいに通り抜けていく。

このMVのアニメーションに釣られて(笑)この曲が主題歌の「泣きたい私は猫をかぶる」という映画を見たら、はらはら、キューン、うるうる、きゅんきゅん。
アオハルだ。
く〜!アオハルだ!

DAOKOさん×米津玄師さんの「打上花火」も、ピアノ演奏で知って原曲を聞いて好きになった。そして日本のアニメーションの色彩って本当にきれいだなあ。湿度の高い夏の空気まで伝わってくる。

毎日が慌ただしくてゆっくりと音楽を聴く時間を持てていなかった時期は、どんな曲が流行っているのかなどを知ることもなく、自分にとって新しい曲に触れる機会もほとんどなかった。
今は、おうち時間の中でいろんな音楽を聴いて過ごせることがとても嬉しい。
振り返ってみると、音楽をたのしむ余裕がなかった日々は、心にも余裕がなかったような気がする。




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