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オリオン座 見えるか見えないか

夜に知人と外を歩いていたときのこと。

「オリオン座がきれいに見えますね!」と言うと「え?どこ?」と聞くので、
指をさして「あそこに真ん中の3つの星がちょんちょんちょんってあって、その周りに4つの星が四角く囲んでるの、見えますか?」と言ったら、「全然見えない」と。
その人は視力が悪いわけではなく星自体は見えていたし、オリオン座を知らないわけでもないそうなのだけれど、どうしても見つからなかったようで、それがとても不思議だった。

私は星を見るのが大好きで、子供の頃からよくオリオン座を見ていた。中学や高校、塾などの、夜の帰り道は歩きながらいつも空を見ていた。晴れている日の空には、進行方向の右側にだいたいいつもオリオン座があった。

深夜になり、家族が寝静まると、音を立てないように気をつけながら外に出て、オリオン座と北斗七星とカシオペア座を確認するのが主に冬の習慣だった。
寝る前のお祈りみたいなものだったのかもしれない。
今でも外を歩けばよく空を見ているし、帰省すると、子供のころと同じように、深夜に家の前を上を向いて少しだけうろうろする。(田舎なので誰にも会わないし、車も通らない。)
たまに流れ星に巡り会うと最高な気分なのだけど、期待して待つと絶対に現れない。世の中なんでもそういうものだよな、と思う。笑
どんなに遠くに引っ越しても、オリオン座はいつも空にある。それは私にとって大きな安心になっている。

そんなふうに子供の頃から長年親しんでいるオリオン座なので、雲がかかって見えないとき以外は、多少街灯が明るくても私はすぐに発見できる。
でも、そうでなかったら、急には広い空の中で星座を見つけられないものなのかもなと思った。見慣れているか、そうでないか、知人と私の違いはそれだったのかもしれない。

自分にとって当たり前のことは、他人にとっては当たり前ではない。他人にとって普通のことは、私にとって普通ではない。そういうことってたくさんある。
それがとても分かりやすい出来事だった。



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