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雪解け。

私は母のことをずっと毒親だと思っていた。

でも違った。

私がずっと愛されていないと感じていた言動一つ一つが愛情表現の裏返しだった。

3人きょうだいの長女として誕生した私は何よりもまず期待が大きかったらしい。

そして、私が言われたことをきちんと聞き、期待に応える子だったから余計に期待が膨らんだそうだ。

だから母の中で私は“出来て当たり前の子”となり、褒められることよりも怒られることの方が目立つようになってしまった。

それに加え、きょうだいの中で最も怒られる頻度が高いという自覚があったこともあり、それを私は“愛されていない”と解釈した。

そう伝えると母はこう言った。

『怒ることには体力がいる。愛があるから、大好きすぎるからこその行動』

その言葉を母から貰って私の中にずっと積もっていた雪がじんわりと解けていくのを感じた。

3人の中で最も愛されていないと思っていたし、家族の中で自分だけ異物のように思っていて苦しかったけれど、母が『そんな訳ない』と強く否定してくれた。

私はむしろ一番愛されていた。

上手く言葉では言い表すことが出来ないけれど、すごく幸せを感じたし、心から嬉しかった。

今日、素直な気持ちで母と話すことができて本当に良かった。

この家に生まれてよかったと心の底からそう思った。

やっと、やっと雪が解けて晴れ晴れしい気持ちになれた。

パニック障害になり、社会になかなか戻れないことに負い目を感じている私に『来春には働こうって思っとるかもしれんけど、別に春が来たと同時に働かなきゃいけんなんてことはないよ。何ヶ月でも何年経ってもいいし、一生だとしてもいい。本当に働きたいと思えるまでいいんよ』と言ってくれた。

その言葉にもまた涙が零れた。

私はちゃんと愛されているし、大切に想われている。

その事実がとても嬉しい。

よかった、本当によかった。


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