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「おいしそう」をつくる(後編)

こんにちは、レガングループの水谷です。

前回は、シズル撮影について、
アート作品のように盛り付けられていく様子をお話しました。

今回は、何がそんなに繊細にさせているのか、
パッケージとの関係を見ていきたいと思います。

スープマロニーちゃん

こちらは弊社で担当したスープマロニーちゃんのパッケージ。

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スープマロニーちゃん

ツヤっと光るプリプリな麺と、フレーバーごとに異なるスープが食欲をそそります。

前回お話ししたように、やっとの思いで盛り付けおわると、
今度はパッケージデザインとの調整です。

デザインに写真を当て込んで、
全体のバランスを見ていきます。

・ポイントになる、かやくの配置・沈み方
・かやくや麺の立体感が出る角度
・スープを見せる液面の割合 ...etc.

それぞれがデザインと喧嘩しないように、
主張のバランスや位置関係を考えながら、

もう少し、もう少し、
と1mm単位で位置や向きなどを調整していきます。

パッケージとシズル

盛り付けただけでも、それはもう十分おいしそうに見える写真。

しかしパッケージへ当て込むと、
「ここがもう少しこうだったら」
と色々な部分が気になってきます。

不思議ですが、
上に重なる文字やデザイン、置かれる位置、切り取り方、
など様々な要素が絡んできて、
1mmの違いが目立って見えてくるのです。

そこへさらに、
「商品をこのように見せたい」
という商品の作り手の意図も絡み合ってきます。

デザインとバランスをとる
これがこんなに撮影を繊細にさせているのではないでしょうか。

写真集のような、あっと驚くような写真とも違い、
シズル写真はデザインの一部として、
しっかり馴染んでいますよね。

それでいて、
おいしそうだなあ、今日のお昼はこれにしちゃおうかなぁ
とついつい想像が膨らみ、お腹が空いてしまう。

このバランスを作るのがこんなに大変だったなんて!
シズル1つ、パッケージ1つでも、
私にはまだまだ知らない世界ばかりです。



おまけ

慎重に調整していくシズル撮影。
もちろん時間もかかります。

しかし、マロニーちゃんが抱えるさらなる難関は、
刻一刻と麺が伸びてしまうこと!

麺の撮影は時間との戦いです。
1カット撮るごとにどんどん膨らんでしまいます。

テンポよく修正を重ねていきますが、
麺の限界までに完成しなかったら?

なんてことでしょう、一から盛り直しです。

あんなに美しく盛られていたのに...
あともう少しでできそうなのに...
最初からだなんて!

パッケージ一つに、とんでもない熱量が込められていますよね。

メーカーさん(企画、デザイン、営業などのご担当者様)
カメラマンさん、
フードスタイリストさん、
私たちディレクター・デザイナー

シズル写真だけでも、それぞれの思いがアッツアツです。

パッケージを簡単に捨てられなくなりませんか?
明日はいつもより、ちょっとだけ丁寧に開けてみてください。

それではまた来週お会いしましょう!

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