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ウワサのイギリスご飯。少しのコツと慣れで、やみつきになること間違いなし。

数十年前、初めてのイギリス旅行、泊まったホテルの夕食がバッフェスタイルのローストだった。最初から出来上がったものが運ばれてくれば正解が知れたんだけど。クッタクタに茹でられたキャベツ。なんだか臭うグリーンピース。ぶつ切りのニンジン。そこにたっぷりのグレイビーソースをぶっかけるなんてつゆ知らず。なんて味気のないゴハン。確かにイギリスはおいしくない、と思ったものだ。

初めて夫の実家に行った際、義母がローストを作ってくれた。おいしすぎて、かきこむように食べるちっこい日本人の息子の彼女(当時)。
“She likes her tuck!” 食いしん坊やな。
義母がニコニコしながら、夫につぶやいたのを覚えている。

そして問題のグレイビー。たっぷりとぶっかけられたソース。完食した私のお皿にはまだたっぷりとソースが残っている。が、義母と夫のお皿はつるりときれいになくなっている。何度か一緒にローストを食べるうちに疑問はさらに大きくなり、ついに聞いてみた。
“Why do I have so much gravy left after eating, but you don’t?”
なぜなら!ホクホクのローストポテトをカットして、潰しながらジュワーっと染み込ませたり、(うちの場合)マッシュしたにんじんに絡めたり、なんせ全ての食材にうまいこと馴染ませていただくもの。こうやって書くと、そりゃそうやろ、とツッコミたくなる。が、当時は不思議に思ったものだ…
最後の一口はヨークシャープディングと残ったお野菜、肉をフォークでガスっとひとまとめにしてソースをきれいに拭って終了!食べたくなってきた。

この日はビーフ。なんだかキャベツが美味しくなさそげ。

ローストの翌日は、残った野菜をボールに入れてハサミでチョキチョキ、オリーブオイルと塩胡椒をまぶして、オーブンで2、30分。フライパンで焼いても美味しい!それがBubble&Squeak。(夫のおじいちゃんは鼻水みたいなサウンドだからフライアップと呼べ!と決してこう呼ぶことはなかったそう。)残りのコールドミートとうちはソーセージと一緒に食べる。そして!欠かせないのがHPソース。エリザベス女王御用達、とんでもなく上品なBubble&Squeakにぐわーっとかけていただいていたのかな、とか想像するけど。(HPはHouses of Parliamentの略。)実は私、最初に出された時、無理やり押し込んだ。全ていっしょくたにマッシュされた見た目とHPソースの酸っぱさが、なんだか自動的にゲ◯を想像させたのか、とにかくダメだった。今では二日目が待ち遠しい!くらい好物なんだけど。慣れやな。ベロが慣れるんやな。

こちらがBubble&Squeak。素敵なビジュアル。残念ながらHPソースがうつってないやんけ。

ロースト、おうちで作るのが面倒くさければ、ワーキングクラス憩いの場、私も大好きトビーが待っててくれる!平日は10ポンドほどでお腹いっぱい。(バッフェ式で好きなお肉を切り分けてくれる。グレービー、お忘れなく!)後片付けもないから、ええな。今ならイースターホリデーでキッズのご飯が安い!


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