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『ここは今から倫理です。』雨瀬シオリ:高校の選択科目「倫理」の教師が生徒の生き方に関わっていくマンガ

『ここは今から倫理です。』(雨瀬シオリ、2016年~連載中)の第1巻を読んだ。2021年1月から実写でテレビドラマ化されている(主演:山田裕貴)。

高校で受けた倫理の授業は意外と面白かった。担当教員は、遠い昔の哲学や宗教の知識を教えるだけでなく、生徒が自分の人生や現状を振り返る機会になり得る課題を用意してくれていた。

だが、それがこうした漫画になるとは。発想が絶妙だ。

少年漫画なので不自然なお色気満載だし、好意を寄せてくる(というのはマイルドな表現)女子高生に対する主人公の教師、高柳の態度は、拒絶しているようで実は余計に火を付けていて「不適切」だ。

しかし、虐待、自尊心の低さ、性、学力の問題、いじめ、家庭環境の問題など、若者をとりまく諸問題をテーマに掲げる社会派意欲作、なのかもしれない。

絵や雰囲気は好みではないものの、続きは知りたいと思ってしまう。

ドラマは漫画よりも清潔な仕上げになっているようだ。

2020年の世界を変える感染症以降、哲学が果たす役割は大きくなっているようにも思える。この漫画に登場する哲学者や思想家の言葉から興味を広げるのもいいかもしれない。


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