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渡辺はるか、平原慎太郎 監修「きりのあな」セッションオンライン劇場

2020年7月4日(土)15時から、ダンサーの渡辺はるか氏が、振付家・ダンサーの平原慎太郎氏の監修によるコンテンポラリーダンス「きりのあな」を、「セッションオンライン劇場」で生配信。

25分程度がダンス、その後30分程度トークでQ&A。

映像は、2週間程度アーカイブで公開される予定。

渡辺氏は、平原氏が主宰のダンスカンパニー、OrganWorks(オルガンワークス)のメンバー。

この作品は、平原氏が音楽を決めて、その音楽をかけながら、30分程度、平原氏が渡辺氏の前で、即興(インプロ)で踊って見せ、その後、渡辺氏が、その記憶を基に、自分が加えたい動きを付けて踊り、その後、また平原氏がそれを踊り・・・という繰り返しで、振り付け、創作していったのだそう。

渡辺氏は、ロボット的な動き(体の一部を固定して、ほかの部分を動かすというOrganWorksのメソッドによるトレーニングが生かされているそう)も滑らかにしなやかにこなし、、水あめが伸びるように粘りがあり、バネもある身体性の持ち主。

真剣な面持ちだったり、にかっと笑ったり、言葉を発したり(スイッチを押されたら話し出し、また押されたら即座に止まるようなイメージの発声だったそう)、場面ごとに即した雰囲気を作り出す演技力もある(表情だけのことではなくて)。

小さな、デッサン用のモデル人形やおもちゃ(?)の信号機がアップで映し出されたり、渡辺氏が消毒液を手に出してこすりつけたり。

中盤では、平原氏が書いたというテキストを声に出し(「あれ~?雨が降ってきたぞ。雨が降ると、何が流れるのかなあ?水?~~うんぬん~~つらい感情?」といった内容)を言い(録音ではなく、リアルで言っていたのか??)、後半では、信号機を思わせる照明で、音と合わせて体がかくかくと切り替わるように動く。

その信号機の照明の場面では、黒い衣装に、背丈くらいの縦長の四角の小(大?)道具を背景に置き、服の部分が背景の黒に吸い込まれ、顔や手や脚だけが浮き上がるように見えるといった視覚効果、演出も巧み。

新型コロナウイルス感染症が流行している社会を踏まえ、それが一つのテーマになっている。

渡辺氏はトークで、(カメラに映ってはいないが)その場にいるであろう平原氏の役割がこの作品では大きかったことを強調していたが、話しぶりがしっかりとしている。

タイトルの「きりのあな」は、「霧」にも「錐」にもなり得るし、新型コロナウイルス感染症の不安が残る中、「穴からのぞいて世界を見る」といったイメージだそう。

トークでは、平原氏が(渡辺氏を通して)、この作品の3時間バージョンを作る、とおっしゃっていた。見たい!


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