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『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』太田啓子著

「男の子」を育てながら弁護士として働く著者が、男女のステレオタイプやそれに基づく関係性を押しつける社会を変えていく主体として次世代に期待し、彼ら(性別にかかわらずだがこの本では特に「男の子」)に何を託せるか、そのために自分たち(親世代)に何ができるか、を提案した本。

・第3章の注4の記事

・第4章のp. 171で紹介されている漫画『さよならミニスカート』『7SEEDS』

・pp. 209-210:男子中学生が美術の授業でコラージュをした際、女性の股間に標的マークを貼り付けたものを作った話。

・pp. 210-211:小学校の高学年の息子にガールフレンドができたとき、父親が、学年でいちばんかわいい子をガールフレンドにするなんてさすがだな、と発言した話。(この発言がアウトということを息子の母親が説明しても父親はいまいち理解できていなかったとのこと)

・p. 223:「自分の感情が語れない原因もたぶん同じで、自分の中で言語化する前に、周囲が「あなた、悲しいのね」と先回りしてしまう。彼自身が感じていたのは別の感情だったかもしれないのに。」

・p. 227:「オーストラリアでは、おばあちゃんが普通にビキニを着ますしね(笑)。」←この(笑)は不要なのでは?なんだか揶揄する雰囲気を感じてしまう。この本で残念だった箇所。

・pp. 236-237:「自分自身の感情の解像度が低い人に、他人の感情を想像できるはずがありません。(略)自分の弱さは弱さのまま認め、自分の感情の揺れに敏感であってほしい。同時に、他者の痛みや弱さを想像できる人になってほしい。」←ジェンダーとかと話がずれるが、そもそもの話として、どんな人にも(周囲が先回りして潰したりしなければ)繊細な感情が備わっていて、かつそれを自覚できるはずだ、という前提になっているのかな。

・p. 238:「脳性麻痺の障害をもつ(原文ママ。メディアでは通常「障害のある」といった書き方をするが)小児科医の熊谷晋一郎さんは、「自立とは、依存先を増やすこと」とおっしゃっています。」

・p. 256:「他人と比較して上か下かという価値観をリセットして、できるだけフラットな関係性を構築できるように意識してほしい。(略)常に自分が「上」でないと心が落ち着かないというのは、不健全で不幸なことです。」←そのとおりなのだが、常に自分が「いちばん」でいたくて、実際ほぼそうなれる人の場合、その認識を改めてもらうのはなかなかハードルが高い。

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