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個性についてひとりごと『東京だより』


どの子もみんな、同じ様な顔をしています。
年の頃さえ、はっきり見当がつきません。
全部をおかみに捧げ切ると、人間は、顔の特徴も年恰好も綺麗に失ってしまうものかも知れません。
東京の街を行進している時だけでなく、この女の子たちの作業中あるいは執務中の姿を見ると、なお一層、ひとりひとりの特徴を失い、所謂「個人事情」も何も忘れて、お国のために精出しているのが、よくわかるような気がします。

『東京だより』太宰治

「私らしさ」っていうのを持ち合わせて生きるのは
意外と大変なことだということを知った。

昔から、大勢の人の意見が正しい風潮があって
失敗することもよくない、人と違うことは排除。
自分の意見を伝えただけで、異端児扱い。

思っていることをそのまま伝えることも
自分らしさを表現しようとすることも
私は「個性」だと思っている。

誰かのために生きているわけではないけれど
人を故意に傷つけることはしない。

「ひとりひとりの特徴」がはっきりしている方が
面白いはずだし、全部一緒にしていい子でいても
誰も責任なんか取ってくれるわけがない。

世界で、私を表現できる人は私しかいない。
「私らしく」生きるため窮屈なものは極力捨てる。
いらないものを無理にかき集めることをやめる。
思ってもいないことを口にすることをやめる。
大切なものは大切にし続けたい。


散歩をする時に空を見上げるのが好きだ。

今日の空は、同じ場所から見ても
同じ空ではないということを痛感するから。

昨日あった当たり前が、今日はないことに気づく。
空の色も、雲の形も同じものには出会えない。

変わっていくものが当たり前で
生涯変わらないものなんてないということを
これだけ雄大なものから感じることができる。

今日という日の空は、今という時間は
言葉にした瞬間に「さっき」という言葉になる。

今という言葉は切り取って残すことができない。

個性。

私らしさという言葉に置き換えてみたけれど
じゃあ「らしさ」ってなんなんなのか。

自由だと思う。

じゃあ「自由」ってなんなのか。

それは「不自由を感じないこと、選ばないこと」

誰かのために、生きるということは
「ひとりひとりの特徴を失う」ことだと思う。
だから、誰かのために生きるのはやめようと思う。

誰かとの約束のために頑張り続けることも
誰かを喜ばせるために進み続けることも。

自分らしさを追求するため。
不自由を感じないため・選択をしないため。

そのために、生きてみようと思った。

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