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日常の疲れ『ダス・ゲマイネ』
けれども私は、そのころすべてにだらしなくなっていて、ほとんど私の身にくっついてしまったかのようにも思われていたその賢明な、怪我の少い身構えの法をさえ持ち堪えることができず、謂わば手放しで、節度のない恋をした。好きなのだから仕様がないという嗄れた呟きが、私の思想の全部であった。
『ダス・ゲマイネ』太宰治
自分の人生、自由に生きたい。
誰からも、何からも縛られたくない。
自由を手にするために、必死に足掻いてきたし
そうなれたら幸せだろうと信じてきた。
時に、恋愛は足枷になることを学んだ。
自分の道についてきてくれるのか
その道を諦めるのかの二択しかない訳ではないが
「個」が強ければ強いほど、2人とって未来とか
考えても、答えは1つしかないと思えた。
「好きなのだから仕様がない」というのは
若い頃にだけ許される特権だと思った。
「思想」だから許されるのであって、実際には
選択をしなければいけないことの方が多い。
選んだ道を正解だと思ってはいる。
けれど、選ばなかった道を進めばいいと言う
後悔をすることもときにはある。
本当は二兎を追って二兎を得る。
それくらい譲れないものにムキになりたい。
泣いて、すがって、みっともないよりも
ある程度の綺麗さを求めることの方が
良いと思ってしまったのはいつからなんだろう。
…
大人になるということの意味の一つに
分を弁えるということがあると思う。
本当になりたくなかった姿。
自分の人生、他人の評価なんかで決められたくない
そんな反骨精神はどこに消え去ったのだろうか。
手に入れられるものだけを周りにおいていたら
本当に欲しいものをほしいって言えなくなった。
そうやって少しずつ、すり減っていく心を
守ってくれるのは自分だけだ。
…
毎日ご飯を食べて、温かい布団で眠れる。
大好きな仕事をして、好きな人にも愛される。
大切な人が周りには存在していて
そんな人と離れていてもつながることができる。
そういう当たり前のことを大切にしたい。
けれど、身近にあるものを大切にすればするほど
守ろうとすればするほど、弱くなる。
…
4月になったら、旅行に行こう。
iPhoneを置いて旅に出る。
一冊の小説と、その場の自然と食と人に向き合う。
そこでしか見られないもの・感じられないこと。
見たもの、感じたものは言葉でしか伝えられない。
そういう、今日、いま、この瞬間をたくさん
切り取って生活をしてみたい。
昨日は何をしていたっけ?
昨日は何を食べたっけ?
そんな毎日をやめて、特別な今日に変えたい。
いよいよ、休みが終わる。
また明日からは社会復帰。
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