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季節について『魚服記』
春の土用から秋の土用にかけて天気のいい日だと、馬禿山から白い煙の幾筋も昇っているのが、ずいぶん遠くからでも眺められる。この時分の山の木には精気が多くて炭をこさえるのに適しているから、炭を焼く人達も忙しいのである。
『魚服記』太宰治
今日、手帳を見て思ったこと。
春の土用。
春のさいごの穀雨。
穀雨のはじまりの葭始生。
季節が春から夏に変わる季節。
私は夏になる瞬間のちょっとだけ暖かくて
眠たくなるような日差しが続く日が好きだ。
散歩に出かけたくなる。
そうしていつまでも歩いていろんなことを考える。
実際に、昨日はそんな散歩をした休みだった。
こういう季節の変わり目になると思うことがある。
人間のくらしの中で、これだけ季節のことや
自然の移ろいを大切にしてきた時代があって
四季のある国に生まれて良かった。ということ。
そもそも、「二十四節気」は春夏秋冬の季節
1年間を24等分したもので、さらにそれぞれを
3分割すると「七十二侯」というものになる。
それだけでは、十分な変化を読み取れないから
季節の変わり目に「土用」がある。
知らなくても生きていける。
わからなくても季節はちゃんと巡ってくる。
それでも、紡がれてきた文化が残っていること。
そろそろ春が終わって「立夏」がやってくるんだな
そんなことを思いながら毎日過ごせるって
意外と幸せなことなのかもしれない。
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