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追う恋と追われる愛『新ハムレット』


孤独を知りたかったら恋愛せよ、と言った哲学者があったけど、本当だなあ。ああ、僕は、愛情に飢えている。素朴な愛の言葉が欲しい。ハムレット、お前を好きだ!と大声で、きっぱり言ってくれる人がないものか。

『新ハムレット』太宰治

愛なんてないけど、結婚したいから!
だから、結婚するんです。

という人がいるという話題で盛り上がった日曜日。

「気持ちが動いたら浮気」
それ以外のことは許せるし、自由にしたらいい。

この言葉は、本心ではなかった。
「信じることは、傷つくこと」
「傷つく前に防御することが唯一の救い」
そう信じて疑わなかった頃、教授に言われた。

「君は、誰のことも好きじゃないんだよ。どれだけ一緒にいても、一つになれないことを寂しいと思うことが恋愛なんだから。」

少し成長してわかるようになったのは
「孤独」もまた幸福の一つだということ。

いつも一緒に居てくれるひとがそばにいない。
そのときに孤独を感じることができることは
特別な人を恋しいと思うからだということ。

多分、ハムレットの想いは「恋」に近い。
恋しくて、恋しくて、恋しくて。
好きで、好きでたまらないから、言葉で知りたい。
だから、片想い「追う恋」を求めている。

それに対して、オフィリアの想いは「愛」に近い。

だって人は、本当に愛して居れば、かえって愛の言葉など、白々しくて言いたくなくなるものでございます。愛している人には、愛しているのだという誇りが少しずつあるものです。黙っていても、いつかは、わかってくれるだろうという、つつましい誇りを持っているものです。

たとえば「好き」だと言う言葉を毎日口にするより
いつもはぶっきらぼうなひとが、ふとした日常で
「好きだよ」なんていいながら一輪の花をくれる。

ベタなシーンが物語にもドラマにも溢れている。

本当に好きだから、言葉に出せない。
それは、心が通じ合っている自信があるから。
相手への思いだけではなく、自分の想いに考えに
揺らぎない自信を持てている。
両想いの「追われる恋」を求めている。

恋愛をする時は
・好きな人といるのか
・好かれている人といるのか
・お互い好きな人といるのか

どんな恋愛を選びますか?



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