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そこにある居場所『誰』


ここに暫くとじこもって一つの仕事が出来あがると私は、そそくさと三鷹を引き上げる。逃げ出すのである。旅に出る。けれども、旅に出たって、私の家はどこにも無い。あちこちうろついて、そうしていつも三鷹の事ばかり考えている。
三鷹に帰ると、またすぐ旅の空をあこがれる。仕事場は、窮屈である。けれども、旅も心細い。私はうろついてばかりいる。

『誰』太宰治

旅に出たら考える自分の故郷のこと。
故郷に居たらまた旅に出たいと思ってしまう。

「そこ」と言う場所に足を運んだ瞬間から
「ここ」となってしまうような感覚だった。

ここ1年、旅行をするたびに気づくことがある。

安息の地みたいな場所は、場所じゃなくて
過ごす人が作ってくれるものだと思った。

誰と一緒にいるかで救われることがたくさんある。
ずっと忘れられない故郷。
いつか戻りたいと思う場所だけれど
そこには今大事にしている人たちはいない。

恋しく思える場所がたくさんふえたらいい。
そう思えるような関係性を作りたいと思った。

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