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失敗園
(わが陋屋には、六坪ほどの庭があるのだ。愚妻は、ここに、秩序も無く何やらかやら一ぱい植えたが、一見するに、すべて失敗の様子である。それら恥ずかしき身なりの植物たちが小声で囁き、私はそれを速記する。その声が、事実、聞えるのである。必ずしも、仏人ルナアル氏の真似でも無いのだ。では。)
『失敗園』太宰治
こんな書き出しのあとに続くのは
「とうもろこし」と「トマト」の会話。
自分の背丈がどうとか、身のつき方がこうとか。
とにかくこの「失敗園」に植えられた植物などが
なにを想い・考えているのかなんてことを
小説にしてしまうんだから面白い。
植物のつぶやきは「不平・不満」が多く
どの植物も完璧なんてない。
そういえば、『星の王子様』にもでてくるけど
「バラ」はどうしてほんの少しだけ高飛車で
斜に構えた喋り方をするんだろうか。
なにはともあれ。
庭の植物をみて、こんな話が思いつくんだから
面白いな。
素敵だな。
と、思った。
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