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ひとりになれない時代、それでもひとりの時間は必要『正義と微笑』


一人三役くらいで対話の朗読など、いまの僕の力では危かしいし、一人で長い台詞を言う場面は、一つの戯曲にせいぜい二つか三つ、いや何も無い事さえあって、意外にも少いものなのだ。

『正義と微笑』太宰治

本はバトンだ。

作家の書いた想いある作品は
誰かの愛する本というバトンになって
その本を愛する人の大切な人にも受け継がれる。

学生の頃、何にも興味がなくてどうでもいいと
嘆いて、ただ苦しくて本を読もうと思った時
ちょうど授業で習っていた「ナラティブ」に
興味を持っていた頃で探しては読み漁った。

読めば読むほど、なんでもない。
ただ、もどかしさとか苦しさとか、切なさを
誰かにわかってほしかったんだな。と思った。

そうして、本との対話を重ねていくうちに
人におすすめして、また会話が生まれたり。

そうやって、紡がれてくものが多いほど
幸せな気分になれた。

便利になって、SNSで人と繋がったり
オンラインで飲み会をするようになって
いつもひとりにはなれない時代だからこそ
わたしは本と一緒に時間を作りたい。

一冊の本。
一杯のコーヒー。
目の前には青い海。

それだけしかない、ゆっくりした時間が欲しい。

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